コパ・デル・レイ

コパ・デル・レイ（スペイン国王杯）

コパ・デル・レイは、スペインにおける伝統あるサッカーのカップ戦で、公式名称は「カンペオナト・デ・エスパーニャ-コパ・デ・ス・マヘスタ・エル・レイ」です。この大会は1902年に始まり、スペイン最古のサッカー大会という歴史を持ちます。優勝したチームにはUEFAヨーロッパリーグの出場権が与えられ、決勝に進出したクラブにはスーペルコパ・デ・エスパーニャへの道が開かれます。一般的には「ラ・コパ」とも称され、サッカーファンに親しまれています。

歴史

コパ・デル・レイの前身となる大会「コパ・デ・ラ・コロナシオン」が1902年に開催され、これはアルフォンソ13世の即位を祝うものでした。最初の大会には、レアル・マドリードやFCバルセロナを含む5つのクラブが参加し、決勝ではクルブ・ビスカヤがFCバルセロナを破って初代王者となりました。このトロフィーはアスレティック・ビルバオのミュージアムに今も飾られていますが、当時の大会は公式には認められていません。

1903年には「コパ・デル・レイ」として本大会が始まり、スペインリーグが始まる1928年までの間、この大会が国内最高峰のサッカーイベントとして君臨しました。初期の大会はマドリードのスタジアムで行われ、約10年の間で様々な大会形式が試行されました。1905年から1932年には「コパ・デ・ス・マヘスタ・エル・レイ・アルフォンソ13」の名称で行われ、フランコ政権の時代には「コパ・デル・ヘネラリッシモ」として改名されました。

大会は長い歴史の中で多くの形式変遷を経てきましたが、1976-77シーズン以降再び「コパ・デル・レイ」として名前が復活しました。近年では、特にUEFAチャンピオンズリーグへの影響を考慮し、決勝戦の開催日程が調整されることもあります。

開催方式

コパ・デル・レイは、基本的にノックアウト方式で試合が進められます。下位ラウンドでは、お互いの試合の勝者を決めるため、直接対決の一発勝負が行われます。特に下位リーグのチームがホームとなる試合が多く、同じリーグに所属するクラブ同士の対戦は抽選でホームチームを決めることになります。

ベスト32ラウンドから準々決勝までは同様のノックアウト形式で進行し、準決勝ではホーム・アンド・アウェー方式で勝ち抜けが決まります。決勝戦は中立地で行われ、全てのファンが平等に楽しめる舞台となっています。

参加資格

参加資格として、プリメーラ・ディビシオンに所属する20クラブや、セグンダ・ディビシオンの22クラブ、そのほか下部リーグの上位チームなど、合計約80クラブがこの大会に挑むことができます。リザーブチームは出場できず、各クラブは下部チームの選手を一定数登録することができます。

トロフィー

コパ・デル・レイには、その歴史を通じて数々のトロフィーが存在します。3連覇または5回の優勝を果たしたクラブには永久保持権が与えられ、FCバルセロナやアスレティック・ビルバオ、レアル・マドリードがその栄誉を持っています。最新のトロフィーは重さ15kgで高さ75cmのもので、2011年に初代受賞者がレアル・マドリードでしたが、トロフィーの落下によって一度破損してしまうという珍事もありました。

コパ・デル・レイはスペインのクラブにとって、名誉と栄光を賭けた重要な大会であり、毎年多くのドラマと感動を生んでいます。サッカーファンにとっては、特別な意味を持つ行事であり、サッカーの魅力が詰まった大会として今後も受け継がれていくことでしょう。

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