コブラ (特殊部隊)

EKOコブラ（Einsatzkommando Cobra）

EKOコブラは、オーストリアの内務省に所属する対テロ特殊部隊です。設立は1973年で、以来、さまざまな危機に対応するために改編を重ねてきました。この部隊は、特に高度な訓練を受けた隊員たちによって構成され、緊急時の迅速対応が求められる状況下での活動に特化しています。

背景と創設

EKOコブラの起源は、1972年のミュンヘンオリンピック事件に遡ります。この事件を契機に、オーストリア政府は移民の安全を守るための対テロ部隊の設立を決定しました。その結果、1973年5月1日にバート・フェスラウ憲兵コマンドー（GK）が設立され、これが後のEKOコブラの前身となりました。

当初GKは、国外からの移民に対して警護を行う役割を持っていましたが、1978年にはONU（対ナショナル戦略）芸術的作戦に対応するため、部隊がさらに強化されました。これが突撃コマンドー憲兵隊（GEK）という新しい部隊設立へとつながり、引き続きオーストリアの特殊部隊の基礎が築かれました。

組織と編成

2013年以降、EKOコブラは内務省特別捜査局の指揮下に整理され、特別な機能を持つ部隊として強化されました。2020年代を通じ、対テロ作戦の課題に応じた隊員数の増加が見られ、700名以上の隊員が在籍。特に訓練や装備において非常に高い基準が求められます。

部隊は、オーストリア全土に展開可能な体制を保持しており、各基地から70分以内に出動できる体制が整っています。2015年には、1,052件の介入と1,800件以上の護衛任務を行い、その活動の幅広さを示しました。

選抜と訓練

EKOコブラの隊員は、厳しい選抜過程を経てオーストリア連邦警察から募られます。選抜された志願者は、医学、心理学、体力に関するテストを受け、合格後は約1200時間にわたる基礎訓練を受けてから実施部隊に配属されます。

特にその能力の高さが評価されているのは、突入作戦におけるスピードと精度です。EKOコブラは、戦闘泳者やパラシュート降下の専門チームを保有し、山岳地帯での高所作業に特化した訓練に取り組んでいます。これにより、都市部や田舎部での施策へも柔軟に対応できる体制を整えています。

装備

EKOコブラの隊員は、様々な武器を使用します。主な装備としては、グロック17やH&K MP5、H&K MP7などがあり、これに加え、装甲車や爆発物処理機材も導入されています。これらの武器や装備は、隊員が複雑な状況下で効果的に行動するための必須要素となっています。

活動の歴史

設立以来、EKOコブラは多くの重大事件に対応してきました。1973年にはパレスチナ・ゲリラによる人質事件に直面しましたが、オーストリア政府の決定により、部隊は現場に出動することができませんでした。このように危機に対して直面することも多く、その後は1996年に発生した航空機のハイジャック事件において、連携して直ちに対処を成功させるなど、隊員の迅速かつ適切な行動が高く評価されています。

まとめ

EKOコブラは、オーストリアにおける対テロ戦略の重要な支柱となっており、その活動と能力は国際的にも知られています。厳しい選抜基準や高度な訓練、優れた装備によって、EKOコブラは次世代の特殊部隊の模範となるべく、多くの試練に挑み続けています。

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