コミックトム

コミックトムについて

『コミックトム』は、潮出版社が発行していた月刊漫画雑誌であり、1964年の創刊以来、漫画界に多大な影響を与えてきました。当初は「希望の友」というタイトルでスタートし、様々な形で名を変えながら1978年の「少年ワールド」、1980年の「コミックトム」、さらに1998年の「コミックトムプラス」と続きましたが、2001年には休刊となりました。しかし、2012年にはWEBコミックトムとして再生し、かつての連載作品の再販や新作の配信を行っています。

創刊背景と目的

『コミックトム』の創刊は、創価学会の第3代会長である池田大作が関与したことによるものです。1949年から少年誌の編集長を務めていた池田は、学会の出版活動を拡大する中で、学会員の子弟向けの雑誌を様々な企画のもとに創刊しました。しかし、発行元が創価学会系列であったにもかかわらず、連載作品の多くは教義的な意味を持たないもので、創価学会の布教を目的とした漫画はわずかな例外のみでした。

連載と内容の変遷

『希望の友』時代は、漫画よりも読み物記事が主に取り上げられていましたが、徐々に漫画内容が増加。その中でも横山光輝や手塚治虫などの著名作家の作品が長期連載され、特に横山は『三国志』を15年にわたって連載しました。1978年に「少年ワールド」に改題された後も、創価学会の会館でしか取り扱われないことが多く、営業的には厳しい状況が続きました。

1980年に「コミックトム」に改題された際には、青年漫画色が強まり、特にSFや歴史を題材とした作品が注目を集めました。長期連載の作品が多数存在し、たとえば『三国志』やみなもと太郎の『風雲児たち』などが特に人気を集めましたが、編集側の都合から連載内容の一部が省略されるケースもありました。

著名な執筆陣

創刊当初から著名作家の参加があり、特に編集部が持つ創価学会グループの財力はそのサポートの要因となりました。例えば、手塚治虫は『ブッダ』や『ルードウィヒ・B』を連載し、横山光輝は『三国志』を15年間にわたり続けるなど、漫画界の巨星たちが多数参加しました。藤子不二雄も「希望の友」や「少年ワールド」で 数々の作品を掲載しました。

休刊と再展開

2001年に正式に休刊した後も、その文化は消えることなく、2012年にWEBコミックトムとしてオンラインでの展開が始まりました。これにより、創刊当初の作品の再掲や新しい作家による作品が掲載されています。

結論

『コミックトム』は、その多様性と歴史的背景からくる独特の漫画文化を持ち続け、今なお多くのファンに支持されています。創刊からの歴史を通じて、漫画のジャンルを問わず数多くの名作を生み出してきたこの雑誌の影響は、今後も語り継がれることでしょう。

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