コミック・ガンボ

コミック・ガンボの歴史と影響

『コミック・ガンボ』は、日本における無料漫画週刊誌の先駆けとして、2007年1月16日に発刊されました。発行を手掛けたのは東京都千代田区に本社を置く株式会社デジマで、編集長には同社社長の甲斐昭彦氏が就任しました。発行日は毎週火曜日で、首都圏で通勤・通学をする20代から40代の男性をメインターゲットに設定し、駅前やコンビニなどでの配布を行っていました。創刊当初の部数は公称で10万部に達していました。

本誌の特徴として、公式ウェブサイトと携帯サイトにおいて直近2週間分の漫画を無料で閲覧できるサービスが提供されており、月額500円の有料会員になることで過去のバックナンバーを閲覧可能でした。これにより、他のフリーペーパーや商業誌に比べて広告枠が少なく、コンテンツの質が重視される環境が整っていました。また、2007年10月には連載作品の単行本『ガンボ・コミックス』の発行も始まりました。

経営の悪化と休刊

しかし、発行から約11ヶ月後の12月11日に発行された第48号を最後に休刊となりました。2007年8月以降、資金面での問題が噴出し、増資ができなくなったことから経営が厳しくなり、発行部数は最終的に5万部にまで減少しました。それに加え、コスト削減のために配布地点を整理し、直接配送またはラック設置に重点を置く方針に変わりましたが、経営状態は一向に改善されませんでした。

最終号は街頭での配布を行わず、設置分や送付された分のみで配布されました。その際、発行元のデジマが事業を停止したことが翌日になって明らかになり、公式ウェブサイトと携帯サイトも12月25日には告知なく全機能が停止したのです。これにより、連載作品はすべて打ち切りとなりましたが、一部の作品は他社の雑誌で連載が再開されたり、単行本が発行されたりするなどの形で、その後の活動を続けました。

編集部の挑戦とエピソード

編集長の甲斐氏は、出版界での経験や人脈がない状態からビジネスモデルを築いたため、出版プロセスの中で様々な問題が発生しました。特に、原稿の完成後に書き直し命令が出されるなど、業界ではタブーとされる行為もあったことが、連載陣の一人であった足立淳のブログで語られています。

出版作品の多様性

『コミック・ガンボ』は、約半数が隔号連載で構成され、毎号異なる作品が掲載されていました。主要な連載作品には、『鳳王』や『朧 -OBORO-』といった人気タイトルが含まれていました。また、『喪男の哲学史』のスピンオフ作品も扱われており、多様なジャンルが展開されていました。

配布方法と草の根的な展開

配布の初期には、鉄道の駅前での配布が主な方式でしたが、徐々に店舗の設置配布が主軸に移行しました。東京・神奈川を中心に首都圏の主要な駅で、黄色いジャンパーを着たスタッフが配布を行っていました。また、店舗設置が進むにつれ、配布範囲は広がり、岩手県や京都府など各地にも及びました。

最後に

『コミック・ガンボ』は、短命ながらもその試みは珍しく、日本の漫画業界に新しい風を吹き込みました。休刊後も一部作品は他の媒体で生き続け、多くのファンに愛される存在となっています。

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