コミュニティの働きかけと強靱性に関するグローバル基金

コミュニティの働きかけと強靱性に関するグローバル基金（GCERF）

コミュニティの働きかけと強靱性に関するグローバル基金、通称GCERF（ジーサーフ）は、暴力的な過激主義とその影響を軽減するために、コミュニティ単位での対策を支援する国際的な非営利財団です。スイスのジュネーヴに本部を構えており、2014年に正式に設立されました。この基金は、地域社会に根ざした活動に対して資金を提供し、暴力的過激主義に対抗するための強靭な社会を築くことを目指しています。

このグローバルな取り組みは、国際的なテロ対策における新しい枠組みとして注目を集め、The Guardian紙からは「世界初のグローバルな反テロリズムの『銀行』」として評されています。GCERFは、地域コミュニティに対して直接的な資金援助を行うことで、地域の人々が自らの問題を解決するための力を得ることを重視しています。ここで強調されるのは、上からの押し付けではなく、コミュニティ自体が主導する自立的な解決策としてのアプローチです。

設立の背景

GCERFは、2013年にニューヨークで行われたグローバル・テロ対策フォーラムにおいて、アメリカ合衆国の国務長官ジョン・ケリーとトルコの外務大臣アフメト・ダウトオールによって設立が発表されました。この会合をきっかけに、暴力的過激主義への戦略として、地域の実情に応じた対応が必要であるとの認識が広まり、GCERFが誕生しました。

支援活動の進行

GCERFは、現在、アルバニアやバングラデシュ、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ケニア、ナイジェリア、フィリピンなど、合計で14か国の被援助国に対して支援を行っています。これらの国々では、地域の人々や組織が協力して問題に取り組み、自己防衛のための基盤を築くプロジェクトが進行中です。具体的には、教育プログラムの構築や若者への職業訓練、地域の対話を促進する活動など、多岐にわたる取り組みが行われています。

基金拠出国

GCERFの運営資金は、19か国を超える基金拠出国から集められています。拠出国の中には、アメリカ合衆国、カナダ、オーストラリア、日本などが名を連ねており、様々な国が協力してこの取り組みを支えています。日本も2015年以降、毎年資金を拠出しており、2021年3月末までに約752万5千米ドルを支援しました。この他、2020年末までの累計ではアメリカ、オランダ、EU、スイス、カタールに次いで6位の貢献となっています。

結論

GCERFは、地域社会における対策を重視し、暴力的過激主義に立ち向かうための新たな枠組みを提供しています。コミュニティに寄り添った支援を通じて、国際社会が連携しながらこの問題に取り組む姿勢は、今後の安全保障や平和の実現に向けた重要なステップと言えるでしょう。

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