コミュニティ・ユニオン全国ネットワーク

コミュニティ・ユニオン全国ネットワーク

コミュニティ・ユニオン全国ネットワーク（略称：ユニオン全国ネット、英語名：Community Union National Network）は、特定の企業や産業別ではなく、地域で働くあらゆる人々を対象とするコミュニティユニオンが連携するために設立された全国的なネットワーク組織です。地域や職種、雇用形態の垣根を越え、多様な労働者の権利擁護と労働条件の改善を目指す組合の活動を支援し、相互の連携を深めることを目的としています。

組織の規模と構成

本ネットワークは、全国各地の様々なコミュニティユニオンによって構成されています。2009年12月時点の情報によれば、北海道から九州・沖縄地方まで、日本全国で74の組合が加盟しており、合計で約1万5千人の組合員が参加していました。加盟しているのは、ナショナルセンター（日本労働組合総連合会など）に所属する労働組合だけでなく、特定のナショナルセンターには加盟していない独立系の労働組合も数多く含まれているのが大きな特徴です。この多様な構成により、幅広い立場や背景を持つ労働者の課題に対応し、活動に反映させることが可能となっています。

組織形態と活動連携

ユニオン全国ネットは、特定の地域支部や上位組織を持つ中央集権的な組織ではなく、加盟組合同士が対等な立場で連携するネットワーク団体です。各加盟組合の自律性を尊重しつつ、情報交換、運動方針の共有、労働問題に対する合同での取り組みなどを行っています。

他の労働組合組織との連携も図られています。例えば、ナショナルセンターの一つである連合に加盟する産業別労働組合、全国ユニオンが発足する際には、その設立に向けた支援を行いました。

また、首都圏に活動拠点を置く加盟組織は、「コミュニティ・ユニオン首都圏ネットワーク」（首都圏ネット）を結成し、地域レベルでの連携を強化しています。首都圏ネットに加盟する組合は、合同で街頭宣伝や集会などを行い、地域における労働者の権利確立運動を推進しています。

事務局

コミュニティ・ユニオン全国ネットワークの事務局は、東京都江東区亀戸7丁目8番9号にある松甚ビル2階に設置されています。これは、加盟組織である下町ユニオンの事務所内に置かれており、事務局運営の一部を下町ユニオンが担っていることが推察されます。かつては東京東部地域ユニオン協議会（下町ユニオン）のウェブサイト内にネットワークのホームページがありましたが、現在はアーカイブとして確認できます。

加盟組合の一例

全国各地に広がる加盟組合は多岐にわたります。例えば、北海道では札幌地域労働組合やユニオンとかち、東北地方では秋田コミュニティ・ユニオン、関東地方では東京ユニオン、東京管理職ユニオン、フリーター全般労働組合、よこはまシティユニオンなど。中部地方では名古屋ふれあいユニオン、関西地方ではUNIONひごろ、サポートユニオンwithYOU、管理職ユニオン・関西といった組合が活動しています。他にも、中国・四国、九州地方など、全国各地に多くの組合が加盟しており、それぞれの地域で、非正規雇用労働者や中小企業の労働者など、様々な立場の働く人々の権利擁護に取り組んでいます。これらの組合は、個別の労働相談や団体交渉を通じて、労働環境の改善を目指しています。

関連情報

ユニオン全国ネットに関連する項目として、「合同労働組合」や「日本の労働組合」が挙げられます。加盟しているコミュニティユニオンの多くは合同労働組合の形態をとっており、特定の企業や産業に属さない個人が地域で加入できる点を特徴としています。日本の労働運動全体において、コミュニティユニオン全国ネットワークは、地域や中小零細企業の労働者、非正規雇用者といった、既存の企業別組合では網羅しきれない労働者の権利保護と組織化を推進する上で重要な役割を果たしています。

より詳細な情報や加盟組合の全リストについては、ネットワークの公式サイトなどを参照することが望ましいでしょう。

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