コミューン間協力公施設法人

コミューン間協力公施設法人（Établissement public de coopération intercommunale: EPCI）は、フランスにおいて複数のコミューン（市町村）が共同で特定の行政サービスを提供する目的で設立される公的な法人です。日本語では「コミューン間広域行政組織」と訳されることもあります。

概要

EPCIは、参加するコミューンの市議会の決議に基づき、様々な行政分野で活動を行います。具体的な活動内容は、ゴミ処理、環境保護、公共交通機関の運営などが一般的です。これらの活動を通じて、個々のコミューンでは対応が難しい広域的な課題解決や、効率的な行政サービスの提供を目指します。

種類

EPCIは、税源の有無によって大きく2つの種類に分類されます。

1. 税源系コミューン間協力公施設法人（EPCI à fiscalité propre）
独自の税源を持つEPCIであり、その規模や機能に応じてさらに細かく分類されます。
主な種類として、コミューン共同体（Communauté de communes）、都市圏共同体（Communauté d'agglomération）、大都市共同体（Communauté urbaine）があります。
これらの組織は、人口規模や都市化の程度に応じて設立され、より広範な行政サービスを提供します。

2. 税源抜きコミューン間協力公施設法人（EPCI sans fiscalité propre）
独自の税源を持たないEPCIであり、参加コミューンからの拠出金によって運営されます。
主な種類として、単一目的事務組合（Syndicat intercommunal à vocation unique）と多目的事務組合（Syndicat intercommunal à vocation multiple）があります。
単一目的事務組合は、特定の行政サービス（例：ゴミ処理）のみを共同で実施する組織です。
多目的事務組合は、複数の行政サービスを共同で実施する組織です。

税源系EPCIの種類詳細

税源系EPCIは、人口規模や都市化の度合いに応じて以下の3種類に分類されます。

コミューン共同体（Communauté de communes）
主に人口の少ない地域で設立されることが多い組織です。
地域内のコミューンが連携し、生活環境の向上や地域経済の活性化を目指します。

都市圏共同体（Communauté d'agglomération）
ある程度の人口規模を持つ都市圏で設立される組織です。
都市圏全体の発展を目指し、経済開発、住宅政策、交通インフラ整備などを共同で行います。

大都市共同体（Communauté urbaine）
大規模な都市圏で設立される組織です。
都市圏全体の戦略的な開発、高度な都市機能の維持・向上、国際競争力の強化などを目指します。

まとめ

EPCIは、フランスにおけるコミューン間の連携を促進し、効率的な行政サービスの提供や地域開発を支援する重要な制度です。税源の有無や組織の規模に応じて様々な種類が存在し、それぞれの地域特性や課題に対応した活動を行っています。

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