コラソン サッカー魂

『コラソン サッカー魂』は、塀内夏子によるサッカー[[漫画]]で、『週刊ヤングマガジン』にて2010年から2011年まで連載されました。全9巻のコミックスとして刊行されています。

本作は、20XX年のFIFAワールドカップ予選で苦戦する日本代表が、ドイツ人老監督ヘルマン・ヴィースラーと、彼が招聘した異色のフォワード、戌井凌駕の加入によって、ワールドカップ出場を目指す物語です。

作者の塀内夏子は、当時の日本代表の不振に対する不満が執筆の動機であったと語っています。主人公の戌井凌駕は、元フランス代表のエリック・カントナをモデルに、「友達にはなりたくないが、いざという時に頼りになる、シンプルでタフなエゴイスト」という作者の理想を投影したキャラクターとして描かれています。

タイトルの「コラソン」は、ポルトガル語で「心臓」を意味する「coração」に由来し、心や魂といった意味合いが込められています。

あらすじ

ワールドカップ・アジア最終予選で、日本代表は得点力不足に苦しみ、予選突破が危ぶまれる状況でした。そこで、日本サッカー連盟はヘルマン・ヴィースラーを監督に招聘します。ヘルマンは、全権委任を条件に監督就任を受諾し、ブラジル2部リーグで活躍していた戌井凌駕を代表に招集します。しかし、戌井は過去に暴力事件を起こし、日本サッカー界から追放された過去を持つ、いわくつきの選手でした。

サウジアラビアとの試合で、ヘルマンは戌井を4-3-3のセンターフォワードとして起用します。戌井は試合開始早々からラフプレーを繰り返し、観客を挑発するなど、スタジアムは異様な雰囲気に包まれます。チームの司令塔である中神祐也は、戌井の粗暴な態度に反発しますが、試合が進むにつれて、二人のプレーは徐々に噛み合い始めます。中神のアシストから戌井がゴールを決め、さらに終了間際には中神のフリーキックが決まり、日本代表は2-0でサウジアラビアに勝利します。

続くオーストラリア戦は、前回のワールドカップで逆転負けを喫した因縁の相手でした。中神と醍醐は、その時の経験から特別な思いを抱いていました。試合前の合宿で、キャプテンの醍醐は戌井に1対1の居残り練習を申し込むなど、過去を乗り越えようとします。試合は激しい攻防の末、終了間際に得たPKを戌井が外し、2-2の引き分けに終わります。

イランとの最終戦。日本は勝利が絶対条件、一方のイランは引き分けでもワールドカップ出場が決まるという状況でした。試合はイランに先制点を許し、ハーフタイムにはロッカールームで戌井と中神が掴み合いの喧嘩を始めるなど、チームは崩壊寸前でした。しかし、何とかチームを立て直し、日本代表はワールドカップ出場権を獲得します。

しかし、その直後、ヘルマン監督が急病で倒れ、ワールドカップでの指揮が危ぶまれます。病院を訪れた戌井は、自分を信じて辛抱強く起用してくれたヘルマンに感謝の言葉をかけられ、涙を流すのでした。物語は、ワールドカップ本大会へ向かう日本代表の姿を描いて幕を閉じます。

主な登場人物

ヘルマン・ヴィースラー: 東ドイツ出身の老監督。「名将」と呼ばれ、日本代表監督に就任。
戌井凌駕: 問題児だが、圧倒的な得点力を持つフォワード。
中神祐也: 日本代表の司令塔。冷静な判断力と高度なテクニックを併せ持つ。
醍醐弘文: 日本代表のキャプテン。チームをまとめるリーダーシップを持つ。

『コラソン サッカー魂』は、サッカーを通じて、登場人物たちの葛藤や成長を描いた作品です。熱い試合の描写はもちろん、人間ドラマとしても楽しめる作品となっています。

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