コリィ・テイラー

コリィ・テイラー：二つの顔を持つカリスマボーカリスト

コリィ・テイラー（Corey Todd Taylor）は、1973年12月8日生まれのアメリカ合衆国の歌手であり、スリップノット（Slipknot）とストーン・サワー（Stone Sour）という2つの人気バンドでボーカルを務めています。彼の音楽キャリアは、苦難に満ちた生い立ちと、音楽への情熱によって形作られました。

波乱万丈な生い立ち

アイオワ州で生まれたコリィは、幼少期をウォータールーやフロリダ州など各地を転々としながら、母子家庭で過ごしました。音楽に目覚めたきっかけは、祖母が歌ってくれたエルヴィス・プレスリーなどの音楽でした。また、いとこが持っていたアコースティックギターに触発され、祖母からギターを買ってもらい、12歳から独学でギターを習得しました。

しかし、10歳で喫煙を始め、13歳からドラッグに手を染めるなど、若年期は困難に満ちていました。15歳の時にはコカインの過剰摂取で2度蘇生され、その後はアイオワで祖母に保護されました。20代前半にもドラッグの過剰摂取による自殺未遂を図り、この時期を「人生のどん底」と振り返っています。音楽と向き合うことで立ち直り、現在も健在な祖母は、彼の人生において大きな支えとなっています。

音楽への情熱と多様な才能

コリィ・テイラーは、ヘヴィメタル界でも卓越した歌唱力の持ち主として知られています。バラードからデスヴォイス、スクリーミング、ラップまで、幅広い表現を使いこなすことができます。スリップノットでは、フロントマンとして9人のメンバーを代表し、ボーカルとMCを担当しています。ライブ前にはメンバーに向けてスピーチを行うなど、リーダーシップも発揮しています。

スリップノットではマスクを着用して活動していますが、ストーン・サワーでは素顔で歌唱しています。これは、スリップノットとストーン・サワーの音楽性が全く異なるため、自然に表現を変えていると本人は語っています。

日本文化への愛着

コリィは、身体の複数箇所に日本語のタトゥーを入れています。首筋には「死」と「父」、背中にはカタカナで「スリップノット」と彫られています。また、両腕や背中にもタトゥーが施されており、日本文化への愛着が伺えます。

スリップノットとストーン・サワー

デビュー前、コリィはポルノショップで働いていましたが、スリップノットのメンバーにスカウトされ、ボーカルとして加入しました。彼は、メンバーにつけられる番号として、永遠を意味する8番を強く希望しました。

ストーン・サワーでは、結成メンバーとして立ち上げに関わり、ボーカルを務めています。ライブでは、一部の曲で自らギターを演奏することもあります。

ライブパフォーマンスとユーモア

海外でのライブでは、現地の言葉を使って観客を盛り上げます。スリップノットの来日公演では、「ナカユビタテロー」や「サイコーー」などの日本語を披露し、観客を沸かせました。しかし、幕張メッセ公演では、会場を高松市と勘違いした煽りを連発し、ネット上で話題となりました。

他バンドとの交流

コリィは、他バンドとの交流を大切にすることで知られています。アポカリプティカ、ソウルフライ、ダメージプラン、アンスラックスなど、数多くのヘヴィメタルバンドにゲストミュージシャンとして参加しています。また、KORNのボーカル、ジョナサン・デイヴィスのツアー降板時には、ゲストボーカルとして数曲を担当しました。オジー・オズボーンとオズフェストを共同企画したり、スリップノットとしてノットフェストを企画するなど、ライブ活動にも積極的に取り組んでいます。

コリィ・テイラーは、その才能と情熱で、ヘヴィメタル界を牽引する存在であり続けています。

Corey Taylor Official Website

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