コリン・グローヴズ

コリン・ピーター・グローヴス（Colin Peter Groves）は、1942年6月24日にイギリスで生まれ、2017年11月30日にその生涯を閉じました。彼は、オーストラリア国立大学で自然人類学の教授として教鞭を執り、人類の進化や哺乳類の分類学において多大な貢献をした人物です。

生い立ちと学歴

グローヴスは、1963年にユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンで理学士号を取得し、1966年には王立自由病院医学校で博士号を取得しました。その後、カリフォルニア大学バークレー校、クイーンエリザベスカレッジ、ケンブリッジ大学で研究員やティーチングフェローとして活躍しました。1974年にオーストラリアに移住し、オーストラリア国立大学に着任、2000年に教授に昇進しました。

研究分野と業績

グローヴスの主な研究対象は、人類の進化、霊長類、哺乳類の分類、骨格分析、自然人類学、民族生物学、そして生物地理学でした。彼は、ケニア、タンザニア、ルワンダ、インド、イラン、中国、インドネシア、スリランカ、コンゴ民主共和国など、世界各地で大規模なフィールドワークを実施しました。その研究成果は、数多くの論文や著書として発表されています。

特に注目すべき業績の一つとして、チェコの生物学者ヴラティスラフ・マザックとともに、ホモ・エルガステルの命名者となったことが挙げられます。また、2001年には『Primate Taxonomy』、2011年には『Ungulate Taxonomy』という分類学における重要な著書を出版しました。これらの著書は、それぞれの分野における分類学的研究の基礎を築くものとして高く評価されています。

さらに、グローヴスはオーストラリア懐疑主義者協会のメンバーとしても活動し、懐疑主義に関する論文や自身の研究対象に関する論文を発表しました。創造論や反進化論の立場をとる人々とも積極的に議論を行いました。彼は科学的根拠に基づいた議論を重視し、自身の研究成果を広く社会に伝えることにも尽力しました。

主な著書

『A Theory Of Human And Primate Evolution』 (1989)
『Skeptical, a handbook on pseudoscience and the paranormal』(1989) ※共著
「From Ussher to Slusher; from Archbish to Gish; or, not in a million years...」(1996)
『Primate Taxonomy』(2001)
『Bones, Stones and Molecules』(2004) ※共著
『Extended Family: Long Lost Cousins. A Personal Look at the History of Primatology』(2008)

これらの著書や論文は、グローヴスの研究成果を広く世に知らしめるだけでなく、後の研究者たちにも大きな影響を与えました。

外部リンク

The Colin Groves Pages
ANU Faculty Homepage

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