コルコバードのキリスト像

コルコバードのキリスト像：リオデジャネイロの象徴

ブラジル、リオデジャネイロ市郊外にあるコルコバードの丘。その頂上にそびえ立つ巨大なキリスト像は、ブラジルを代表するランドマークであり、世界中から観光客を魅了する存在です。正式名称は「クリスト・ヘデントール（Cristo Redentor）」、ポルトガル語で「救世主キリスト」を意味します。

建造と歴史

この圧倒的なスケールの像は、ブラジル独立100周年を記念して、1922年から1931年にかけて建設されました。高さ39.6メートル（台座を含めると約49メートル）、両腕を広げた幅は30メートル、重さは635トンにも及びます。内部には、約150人が収容可能な礼拝堂が設けられています。

ブラジルとリオの象徴

キリスト教徒人口が80％を超えるブラジルにおいて、このキリスト像は信仰の象徴としてだけでなく、リオデジャネイロ、ひいてはブラジル全体の象徴となっています。2012年には、「リオデジャネイロ：山と海との間のカリオカの景観群」の一部としてユネスコの世界遺産にも登録されました。

新・世界七不思議

2007年7月、コルコバードのキリスト像は「新・世界七不思議」の一つに選出されました。他の6つの建造物とは異なり、20世紀に建造された比較的新しい建造物です。この選出は、専門家の審議ではなく、一般からの電話投票とインターネット投票によって決定された点が特徴的です。ブラジル国内では、大規模な投票キャンペーンが展開され、数百万ドル規模の資金が投入されたと言われています。

プロジェクションマッピングによる演出

キリスト像は、単なる観光名所としてだけでなく、社会的なメッセージを発信する場所としても活用されています。2010年には、児童虐待問題への啓発キャンペーンの一環として、プロジェクションマッピングによってキリスト像に温かい抱擁の姿が投影されました。また、2020年には、新型コロナウイルス感染症の拡大防止活動に従事した医療従事者への感謝を込めて、復活祭に白衣や国旗、感謝のメッセージが投影されました。これらの演出は、ブラジルの人々のキリスト像への深い愛情と、社会問題への関心の高さを示しています。

まとめ

コルコバードのキリスト像は、単なる巨大な像ではありません。ブラジルの歴史、文化、信仰、そして人々の心を象徴する存在です。その壮大な姿は、訪れる人々に深い感動と、忘れられない思い出を与え続けるでしょう。世界遺産に登録されたこの偉大な建造物は、これからも人々の心を繋ぎ、未来へと受け継がれていくことでしょう。

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