コルト・ウッズマン

コルト・ウッズマンの詳細

コルト・ウッズマン（Colt Woodsman）は、アメリカの著名な銃器メーカー、コルト社が1915年に設計・販売を開始した自動拳銃です。この銃は主に競技用として開発され、標準的な.22LR弾を使用し、装弾数は10発（+1）を誇ります。

初めて市場に登場した際は「コルト・オートマチック・ピストル・ターゲットモデル」という名称で販売されていましたが、1927年からは「Woodsman（森の住人）」と改称され、長い間愛され続けることになります。その前のモデルは「Pre-Woodsman」と呼ばれています。ウッズマンは競技用としての特性に加え、手軽に使える銃としてプリンキングや軽い狩猟でも使用されてきました。1977年までに約69万丁が販売されたと言われており、その人気の高さを物語っています。

この銃器の基本設計は、伝説の銃器デザイナーであるジョン・ブローニングによるもので、彼はコルト社の設計チームと共にこの素晴らしい拳銃を創り上げました。大量に生産されたことにより、ウッズマンには多くのカスタムモデルや多様なバリエーションが存在しています。

第二次世界大戦中の1943年から1947年までは、軍用需要の影響で民間向けの生産が停止されました。しかし、戦後の1947年には少々の改良を加えたセカンドシリーズが再び市場に投入され、さらにその後にサードシリーズとしてのモデルも登場しました。

この拳銃は威力の低い.22LRを使用しているため、ストレートブローバック方式を採用し、頑丈なフレームを持つことで、銃身の跳ね上がりが少なく、結果として高い命中率を実現しています。その厚いフレームの特性を生かして、多くのエングレービングモデル（彫刻装飾銃）が製作されてきたのも特徴的です。

バリエーション

ウッズマンにはいくつかの系列があり、それぞれ異なるモデルが存在します。

ファーストシリーズ

- コルト・ウッズマン: 基本モデルで、銃身長は6.5インチ。
- コルト・ウッズマン・スポーツ: 銃身長4.5インチのセミヘビーバレルタイプ。
- コルト・ウッズマン・ターゲット: 5.5インチから6.5インチのモデル。
- コルト・ウッズマン・マッチターゲット: 競技特化型。このモデルは特に人気があります。

セカンドシリーズ

このシリーズからは、ウッズマン特有のサムレスト付きグリップが標準装備となります。

- コルト・ウッズマン・スポーツ: 引き続き取り扱われる4.5インチのヘビーバレルモデル。
- コルト・ウッズマン・マッチターゲット: 市販化された競技用モデル。
- コルト・ウッズマン・ターゲット: 競技用の廉価版モデル。
- コルト・ウッズマン・チャレンジャー: スポーツの廉価版、ストックが付属。

サードシリーズ

このシリーズでは、仕上げの違いが見られます。

- コルト・ハンツマン: ウッズマンの改良型で、標準的なモデル。
- コルト・ウッズマン・マッチターゲット: 特定のバージョンとして4.5インチモデルも存在。
- コルト・ターゲッツマン: ターゲットモデルにおいてさらなる改良が施されています。

ウッズマンはその多彩なバリエーションと歴史的背景から、多くの銃器愛好家にも支持され続けています。また、中国の中国北方工業公司（Norinco）がウッズマンのクローンであるM93を製造していることでも知られています。

コルト・ウッズマンは、単なる自動拳銃以上の意味を持ち、競技の世界や銃器文化において重要な地位を占める存在となっています。

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