コルベルク包囲戦 (七年戦争)

コルベルク包囲戦：七年戦争における攻防

コルベルク包囲戦は、七年戦争中に現在のポーランド領コウォブジェクにあたるプロイセン領ポンメルン州のコルベルクを巡り、ロシア軍が三度にわたり行った包囲戦です。1759年10月の第一次包囲と1760年8月から9月にかけての第二次包囲はプロイセン軍の抵抗により失敗に終わりましたが、1761年8月から12月にかけての第三次包囲でついにコルベルクは陥落しました。

包囲戦の経過

第一次包囲（1759年）

1759年、ロシア軍はコルベルク占領とポンメルン州での冬営を目的に包囲を開始しました。しかし、プロイセン軍のハインリヒ・ジギスムント・フォン・デア・ハイデの指揮のもと、守備軍は事前に防御を強化し、物資を蓄えていました。ロシア軍は増援を得て兵力を増強したものの、大雨と嵐により攻城兵器の組み立てが遅れ、支援を予定していた艦隊も嵐で大きな損害を受けました。結果、ロシア軍は包囲を断念し撤退しました。

第二次包囲（1760年）

1760年、ロシア軍は再びコルベルク要塞の確保を目指し、バルト海艦隊による砲撃を開始しました。スウェーデン艦隊もロシア軍に加勢し、包囲軍は攻城兵器を組み立て始めました。プロイセン王フリードリヒ2世は、ハンス・パウル・ヴェルナー率いる援軍を派遣。ヴェルナー軍はロシア軍を攻撃し、包囲軍は救援軍の規模を過大評価して撤退しました。

第三次包囲（1761年）

1761年、ロシア軍は三度目のコルベルク包囲を敢行しました。プロイセン軍はフリードリヒ・オイゲン・フォン・ヴュルテンベルクの指揮のもと、守備を強化しました。ロシア軍は増援を得て包囲を開始し、艦隊による支援も受けました。プロイセン軍は抵抗しましたが、ロシア軍はコルベルクへの補給路を遮断。プロイセン軍の増援部隊も撃破され、ついにコルベルクは12月16日に陥落しました。

包囲戦の結果とその後

コルベルクの陥落により、プロイセンはバルト海沿岸の主要な港を失い、ロシア軍はポンメルンでの冬営が可能になりました。しかし、ロシア皇帝エリザヴェータの死去と、後を継いだピョートル3世がフリードリヒ2世の崇拝者であったことが事態を大きく変えます。ピョートル3世はプロイセンとの講和を締結し、コルベルクを含む占領地をプロイセンに返還したのです。この出来事は、七年戦争の行方にも大きな影響を与えました。

コルベルク包囲戦は、七年戦争におけるプロイセンとロシアの攻防を象徴する出来事であり、その後のヨーロッパの勢力図にも影響を与えることとなりました。

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