コレトトリカム・ココデス

コレトトリカム・ココデスについて

コレトトリカム・ココデス（Colletotrichum coccodes）は、コレトトリカム属に属する糸状菌であり、ナス科の植物における病害の原因となる重要な病原菌です。主にナス、トマト、ジャガイモに影響を与え、これらの作物に様々な症状を引き起こします。特に、黒点根腐病は農業において深刻な損失をもたらすことがあるため、その理解と管理が求められます。

黒点根腐病の症状

ナス黒点根腐病

ナスにおける黒点根腐病は、発病が進行すると草丈がやや低下し、地上部の葉から萎凋が始まります。その後、株全体に症状が広がり、最終的には枯死に至ることが多いです。特に被害を受けた株の根には腐れが生じ、表面には多数の小黒点が現れ、顕微鏡で観察すると剛毛の存在が確認されます。この病気は、日本では1973年に長崎県、2006年には高知県で確認されています。

トマト黒点根腐病

トマトに感染した場合、下葉から黄化が始まり、次第に上部の葉へと症状が移行します。経過すると、下葉からの落葉が見られ、被害株の生育は遅れがちになります。特に病気が進行した場合、着果不良や収量の減少が見られます。根は灰褐色に変色し、腐敗が進み、細根の脱落が観察されます。変色した根の表面にも多くの小黒点が見られることがあります。

ジャガイモ炭疽病

ジャガイモにおいては、通常収穫期が近づく頃に病気の症状が現れます。地際部が暗褐色から褐色へと変化し、特にその部分が脆弱になりやすく、折れやすくなります。病斑部には黒い小斑点の凝球菌核が密生し、葉は黄化して早期に枯れてしまいます。この症状は特に収穫に影響を与え、農業生産者にとって大きな問題を引き起こします。

まとめ

コレトトリカム・ココデスは主にナス科作物に被害を及ぼす病原菌であり、病害の一種である黒点根腐病を引き起こします。ナスやトマト、ジャガイモなど、さまざまな作物が影響を受けるため、農業においては適切な対策が求められます。病気の発生を予防するためには、農薬の使用や適切な栽培管理が不可欠です。

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