コロニーな生活

コロニーな生活

『コロニーな生活』は、株式会社コロプラが開発・運営する、携帯端末およびスマートフォン向けの位置情報ゲームです。現実の移動とゲームシステムを連携させる「位置ゲー」というジャンルのパイオニア的存在であり、提供元の社名「コロプラ」はこのゲームの略称（愛称）から名付けられました。

概要

プレイヤーは、ゲーム内に存在する仮想のスペースコロニーを舞台に、その維持・管理そして発展を目指します。ゲーム進行の要となるのは、仮想通貨である「プラ」です。プラは、現実世界で移動した距離に応じて位置登録を行うことで獲得できます。通常は1km移動ごとに1プラが付与されますが、75km以上の長距離移動では獲得プラが段階的に減少し、また一日の位置登録回数にも上限が設けられています（特定のアイテム使用で緩和可能）。

蓄積したプラを消費することで、コロニーの土地を広げたり、様々な施設を建設したり、アイテムを購入したりすることができます。これらの要素を通じて、自分のコロニーを豊かに育てていくのがゲームの主要な流れです。

初期の何も無い土地には住民が住みつきませんが、農場、木、貯水池といった生活基盤となる生産施設を設置することで、自然と人口が増加していきます。人口が増えると、フィールド上の建物がテントから家、ビルへと変化するなど、見た目も進化します。しかし、増加した人口を維持するには、食料、酸素、水分の3種類の資源供給が不可欠です。資源が不足すると人口が減少するため、人口増加に合わせて生産施設の増設や管理が必要になります。

これらの基本施設のほか、コロニーを脅かす「隕石」に対抗するための特殊施設も存在します。隕石を早期に発見する「レーダー」、落下を防ぐ「ミサイル」、落下位置を誘導する「避石針」などがあり、プレイヤーは状況に応じてこれらの施設を活用する必要があります。

ゲーム内で利用できるアイテムは多種多様で、資源の生産・備蓄量、プラの獲得率、人口の増減率などに影響を与える効果を持つものや、コロニーの外観を変更できるテーマアイテムなどがあります。テーマアイテムは500種類以上も用意されており、プレイヤーはオリジナリティ溢れるコロニーを作り上げることが可能です。

システムの特徴

地域とワープ

ゲームの世界は日本全国が748の「地域」に分割されています。初めて訪れて位置登録を行った地域は「踏破」として記録され、都道府県ごとに設定された一定数の地域を踏破すると、アイテムなどの特典が得られます。地域は基本的に市単位で区割りされていますが、一部例外や過去の市町村名に基づく地域も存在します。

プレイヤーは主に位置登録によってコロニーのゲーム内位置を移動させますが、「ワープ」機能を利用すれば、現実の移動を伴わずにゲーム内の位置を他の地域へ瞬間的に移動させることも可能です。ワープは特定のアイテムを使用するか、ユーザーが設定した「ゲート」を通過することで行えます。ゲートは設定者が決めた通行料が必要で、有効期限が設定されています。

交流とお土産

『コロニーな生活』は、ユーザー同士の交流機能も重視しています。同じ地域にいるコロニー同士は、メッセージ交換、アイテムやお土産の譲渡といったコミュニケーションが可能です。地域専用の掲示板も設けられており、プレイヤー間の情報交換や親睦の場となっています。

交流を促進する要素の一つに「お土産」システムがあります。位置登録を行った地域ごとに購入できるお土産があり、特定の駅や施設周辺でのみ入手可能な限定品も存在します。これらの多くのお土産は他のプレイヤーと譲渡・売買が可能であり、自力での全種類収集が非常に困難なため、自然と他のプレイヤーとの交流が生まれる仕組みとなっています。全てのお土産を集めると、特殊なアイテムと交換できます。

コロカ・スポンサーお土産

位置登録によるお土産入手のほかに、株式会社コロプラと提携する店舗や施設で商品を購入することで入手できる「コロカ」というシステムがあります。コロカはトレーディングカードの形をしており、カードに記載されたシリアルナンバーをゲーム内で入力することでお土産を購入できます。コロカの種類は購入金額に応じて異なり、複数のデザインが存在するため、収集要素の一つとなっています。

隕石とわらし

ゲーム中には不定期に「隕石」が落下し、放置すると土地や施設、住民が消滅するリスクがあります。これを回避するには、位置登録、ミサイル迎撃、避石針による誘導といった対策が求められます。隕石の中には「アイテム隕石」もあり、これをあえて落下させるとアイテムが得られますが、通常の隕石と同様に土地は消滅します。

また、コロニーの人口が一定数を超えると、「わらし」と呼ばれる存在が取り憑くことがあります。わらしはアイテムを勝手に動かしたり、時には「わらし箱」にしまってしまったりします。わらしは「お祓い」によって別れることができますが、わらし箱にしまわれたアイテムを取り戻すには、同じ地域にいる他のプレイヤーに「お助け」を依頼する必要があり、ここでもプレイヤー間の協力が重要になります。

ビジネスモデルと歴史

ゲームは基本無料でプレイ可能ですが、システムの維持や発展のため、ユーザーからの「投げ銭」という形で資金を募っています。投げ銭を行うことで、ゲームを有利に進めるための様々な特殊アイテムを入手することができます。

『コロニーな生活』は、2003年5月に現在のコロプラ社長である馬場功淳氏が個人プロジェクトとして提供を開始したことに始まります。その後、企業との提携による別サービスの展開などを経て、2008年10月1日に株式会社コロプラが設立され、同社へ運営が移管されました。2010年にはユーザー数が100万人を突破するなど、多くのプレイヤーに親しまれました。

関連展開

ゲームシステムを活かした現実世界との連携企画も実施されています。JTBと提携した旅行ツアー「コロ旅」や、西鉄バス、天草エアラインとの連携による提携乗車券・航空券などが販売されました。これらは、実際に旅をしながらゲームも楽しむという、位置ゲーならではの取り組みです。

利用可能な端末は主に携帯電話およびスマートフォン向けアプリですが、一部機能に制限はあるものの、パソコンからのプレイも可能です。

関連するサービスとしては、JR九州とのタイアップ企画や、過去に提供されていた姉妹ゲーム、外部の提携アプリなどがあります。

（注：2011年には、運営会社の社員による不適切な発言が問題となり、謝罪文が掲載されるという出来事も発生しています。）

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