コロンビア・パーク

コロンビア・パークは、20世紀初頭にアメリカ合衆国ペンシルベニア州フィラデルフィアに存在した野球場です。この球場は、MLB（メジャーリーグベースボール）のフィラデルフィア・アスレチックス（現在のオークランド・アスレチックス）が、球団創設から最初の8シーズンを本拠地として使用したことで知られています。

球場の立地は、フィラデルフィア市内のコロンビア・アベニュー沿い、ビール醸造所が数多く立ち並ぶ地域でした。しかし、興味深いことに、コロンビア・パーク内でのビール販売は許可されていませんでした。周辺の環境とは裏腹に、球場内ではアルコールが提供されなかったのです。

1901年の開場当初、コロンビア・パークには一塁から本塁を経て三塁までの間に、木製のスタンドが設けられていました。このスタンドの収容人数は約9,500人でした。その後、観客数の増加に対応するため、外野席が新たに建設され、球場全体の収容人数は13,600人まで増加しました。しかし、1905年にアスレチックスがワールドシリーズに進出した際には、18,000人近いファンが球場に押し寄せ、文字通りファンで溢れかえる状態となりました。この状況は、コロンビア・パークの収容能力が限界に達していることを明確に示していました。

コロンビア・パークの収容人数の不足を痛感したアスレチックスは、より大規模な新球場の建設を決定しました。その結果、シャイブ・パーク（後のアスレチックス・フィールド）の建設が1908年に開始され、翌1909年に完成しました。アスレチックスは、1909年シーズン開幕からシャイブ・パークを新たな本拠地として移転しました。

コロンビア・パークは、アスレチックスの移転後も数年間存在しましたが、1910年代に道路敷設の計画が決定されたため、取り壊されることになりました。短期間ではありましたが、コロンビア・パークはフィラデルフィアの野球ファンにとって忘れられない場所であり、アスレチックスの初期の歴史を彩る重要な存在でした。

コロンビア・パークは、初期の野球場特有の制約を抱えながらも、拡張を重ね、ファンに愛された球場でした。しかし、時代の流れとともに、より大きく近代的な球場が必要となり、その役割を終えました。現在、コロンビア・パークの跡地には、当時の面影を残すものはありませんが、その名前は野球史の一ページに刻まれています。

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