コロンビア特別区議会

コロンビア特別区議会の概要

コロンビア特別区議会（Council of the District of Columbia）はアメリカ合衆国の首都、ワシントンD.C.の議会であり、特異な地位を有しています。この議会は1975年以来、連邦議会からいくつかの権限を委譲され、自治権を持つ立法機関として機能しています。つまり、コロンビア特別区は州には属さず、連邦政府の直接監督下にある特別な区域です。

歴史的背景

コロンビア特別区の権力構造は、憲法によって定められたものであり、連邦議会は選挙区に対して立法する権限を持っています。設置から数世代にわたり、連邦議会はこの権限の一部を特別区の住民や彼らの代表者に委譲してきました。例えば、1790年7月には新たな首都の設置が決定づけられ、その後、様々な法案や憲章の改正により政府の機構が整備されていくことになります。

コロンビア特別区に特有の政府体制は、1871年に有機法によって作られ、ワシントン市、ジョージタウン、さらには非法人の地域を統合して一つの自治体としました。この法案により、議会は州知事および市の立法機関を創設し、権限委譲の流れが生まれました。しかし、その後の時代には財政的な問題も生じ、1874年には直接統治の体制に移行しました。

自治権の回復

コロンビア特別区の住民は1973年に新しい自治法を制定し、選挙で選ばれた市長と議会の設立が実現しました。議会は13人の議員で構成され、各議員は4年間の任期を持ちますが、その間も議会のすべての行為は連邦議会の承認を条件としています。この法的背景は、共和党員と民主党員を含む特別議員によって構成され、多党制の政治体制を形成しています。

現在の構成

コロンビア特別区議会は、計13名の議員から成り、各区から1名ずつ代表が選ばれるほか、地区全体を代表する特別議員が4名選出されます。議長も議会内で選出され、特別議員の任期は2年ごとに入れ替わります。このため、D.C.の住民は毎回の選挙で異なる候補者に投票することができるのです。

議会には多くの常任委員会があり、政策に関する立法案や関連機関の監視を行います。また、各議員は様々な委員会で活動しながら、立法活動が効率的に行われるよう努めています。

報酬体系

議会の議員たちの給与は、議長が210,000ドル、その他の議員が140,161ドルとされており、アメリカの他の地方議会と比較して高い水準にあります。これにより、議員たちはその職務に専念することが可能ですが、同時に市民からの批判も受けることがあります。

コロンビア特別区議会は、アメリカ合衆国の憲法に基づくユニークな存在であり、地域住民にとって重要な決定を行う機関です。今後もその役割を果たし続けることが期待されています。

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