コンゴ・オセアン鉄道

コンゴ・オセアン鉄道

コンゴ・オセアン鉄道（chemin de fer Congo-Océan）は、コンゴ共和国における重要な鉄道であり、ブラザヴィルとポワントノワールをつなぐ約512kmの区間を通っています。この路線は、1921年から1934年の間にフランス植民地政府によって建設されましたが、その工事は非常に過酷なもので、多くの人命が失われる結果となりました。

1959年、この鉄道はコンゴ及び中央アフリカ、チャド、ガボンの各自治政府の共同出資によるものとなり、近年の国の独立に向けた一歩を象徴する存在となりました。しかし、1981年には国有化され、以降も国の重要な交通手段としての役割を果たしています。

さらに1962年には、モンベロからガボンとの国境に位置するムビンダへ向かうCOMILOG支線が建設されました。この支線は、ガボンのモアンダで産出されるマンガン鉱石の輸送ルートとして重要な役割を持ち、ムビンダではCOMILOGロープウェイと接続されていました。しかし1986年にはトランスガボン鉄道が延伸され、マンガンの輸送が停止となり、COMILOGロープウェイも廃止されました。それでも、COMILOG支線は現在も運行され続けています。

2009年には、このCOMILOG支線の終点近くにあるマヨコで鉄鉱石の採掘が始まり、輸送業務が活発化しました。これにより、コンゴ国内における資源輸送のプラットフォームとしての機能が強化されました。

一方で、鉄道の歴史は平坦ではありませんでした。特に1997年に勃発したコンゴ内戦により、鉄道は6年間もの間閉鎖され、その後も反政府勢力による攻撃や略奪など、数々の脅威にさらされることとなりました。2007年には、英国放送協会が「大半の車両が故障し、荒廃した状態にある」と報じ、鉄道の劣悪な状況が浮き彫りになりました。

その年、国際連合児童基金がマラリア予防用の蚊帳配布のためにこの鉄道を利用したこともありました。このように、コンゴ・オセアン鉄道は経済活動の一翼を担う一方で、戦争や治安の悪化による影響をも受けてきました。

総じて、コンゴ・オセアン鉄道は歴史的な背景とともに、近代コンゴの運輸インフラとしての役割を持っている非常に重要な交通機関です。今後の発展や変化が注目されるところです。

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