コンゴ・スクウェア

コンゴ・スクウェア：ジャズ発祥の地、その歴史と変遷

コンゴ・スクウェアは、アメリカ、ルイジアナ州ニューオーリンズ市のトレメ地区に位置する歴史的な広場です。現在はルイ・アームストロング・パークの一部となっていますが、かつてこの場所で行われた音楽演奏が、ジャズ誕生の重要な要素になったと言われています。

歴史

ルイ・アームストロング・パークは、フレンチ・クオーターの北西に位置し、コンゴ・スクウェアはその南端にあります。1718年のニューオーリンズ市設立以来、コンゴ・スクウェアは人々の社交場として機能してきました。

当初は「黒人の広場」と呼ばれ、1803年にルイジアナがアメリカ領になる以前から、アフリカ系の人々が集まり、青空市場を開いたり、打楽器を演奏してダンスを楽しんだりしていました。1817年には、ニューオーリンズ市でアフリカ系の奴隷が日曜日に集まってダンスをすることを許可する法律が制定され、その会場としてコンゴ・スクウェアが選ばれました。

ここで繰り広げられたアフリカン・ビートとダンスは大きな話題を呼び、アメリカ各地から観光客が訪れるほどでした。しかし、このような音楽とダンスの習慣は徐々に衰退し、奴隷制の廃止（1865年）を待たず、南北戦争が始まった頃（1861年）には行われなくなっていました。

しかし、時が経つにつれて、コンゴ・スクウェアには再び音楽が響き渡るようになります。有色クレオール人たちが、ここでブラスバンドのコンサートを開催するようになったのです。彼らの演奏はジャズの原点とされ、コンゴ・スクウェアはジャズ発祥の地として知られるようになりました。

19世紀末、ニューオーリンズ市政府は広場の名前を、P.G.T.ボーリガード将軍にちなんで「ボーリガード・スクウェア」と改名しました。しかし、この名称は定着せず、依然として「コンゴ・スクウェア」の愛称で親しまれました。

1960年代初頭、都市再開発プロジェクトの一環として、コンゴ・スクウェア周辺の建物は取り壊されました。その後、しばらくの間更地のまま放置されましたが、1970年代に入ってからコンゴ・スクウェアとその周辺一帯はルイ・アームストロング・パークとして整備されました。

1970年に始まったニューオーリンズ・ジャズ&ヘリテッジ・フェスティバルは、初期の2回（1970年、1971年）の会場として、コンゴ・スクウェアと、同じパーク内にある市営講堂を使用しました。会場がフェアグラウンズ競馬場に移された現在も、ステージの一つは「コンゴ・スクウェア」と名付けられています。

コンゴ・スクウェアは、1993年にアメリカの国家歴史登録財に追加されました。

コンゴ・スクウェアは、ジャズのルーツを辿る上で非常に重要な場所であり、ニューオーリンズの文化を象徴する場所として、今もなお多くの人々に愛されています。

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