コンスタンティア (オスロエネ)

コンスタンティアは、古代メソポタミア、現在のトルコ領ヴィランシェヒル付近に位置したローマ帝国の都市です。ニシビスとカルラエを結ぶ街道の中間に位置し、エデッサにも近いという地理的条件から、重要な拠点として機能しました。

名称の変遷

この都市は、時代や文献によって様々な名称で呼ばれていました。コンスタンティア (Κωνσταντία)、コンスタンティナ (Κωνσταντίνα)といった名称のほか、アントニノポリス、ニケフォリウムあるいはニケフォリオン (Νικηφόριον)、マクシミアノポリス (Μαξιμιανούπολις)、オスロエネのコンスタンティノポリス、テッラ、アンティオキア・アラビス、メソポタミアのアンティオキア (Ἀντιόχεια τῆς Μεσοποταμίας)、アラビアのアンティオキア (Ἀντιόχεια ἡ Ἀραβική)などの名が記録されています。これらの多様な名称は、この都市の歴史的変遷と、様々な文化の影響を受けたことを示唆しています。

歴史

大プリニウスによれば、コンスタンティアはアレクサンドロス3世の死後、セレウコス1世によって建設されたとされています。一方、東ローマ帝国の歴史家ヨハネス・マララスは、この地にあったマクシミアノポリスがペルシア人の侵攻と地震によって破壊された後、コンスタンティヌス1世がその跡地にコンスタンティアを建設したと伝えています。このように、建設の経緯については複数の説が存在します。

ニシビスが陥落した後、コンスタンティアはメソポタミア属州の軍事長官であるドゥクス・メソポタミアエの駐屯地となりました。しかし、後にダラが建設されると、その地位をダラに譲り渡しました。東方正教会の聖人ヤコブ・バラダイオスは、コンスタンティアの近くで生まれ、近隣の修道院で修行しました。この事実は、この地域が宗教的にも重要な場所であったことを示しています。

宗教的側面

コンスタンティアには、エデッサ大司教区に従属するコンスタンティナ・テッラ司教区が設置されました。445年のアンティオキア公会議に出席したソフロニウスなど、初期の司教の名前が記録されています。司教が着任できなくなった後も、カトリック教会には名目上のコンスタンティナ教区が存在し続けました。

アラブの征服

639年、コンスタンティアはアラブ人によって征服されました。この征服は、都市の歴史における重要な転換点となりました。

コンスタンティアは、その戦略的な位置と豊かな歴史から、古代メソポタミアにおける重要な都市の一つでした。多様な名称、建設に関する複数の説、宗教的な重要性など、様々な側面からその歴史を紐解くことができます。

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