コンソリデーテッド・スチール

コンソリデーテッド・スチール：アメリカの鉄鋼・造船会社

コンソリデーテッド・スチール（Consolidated Steel Corporation）は、1929年にアメリカ合衆国で設立された鉄鋼・造船会社です。ロサンゼルスに存在したレウェリン鉄工所、ベーカー鉄工所、ユニオン鉄工所という3つの企業が統合されることで誕生しました。

第二次世界大戦中の活動

第二次世界大戦中、コンソリデーテッド・スチールは、カリフォルニア州ウィルミントンとテキサス州オレンジの2箇所に造船所を構え、艦艇の建造に尽力しました。これらの造船所は、戦時中のアメリカの軍事力を支える重要な役割を果たしました。

オレンジ造船所

テキサス州オレンジに位置するオレンジ造船所は、1940年にコンソリデーテッド・スチールがアメリカ海軍から海事調停委員会契約を獲得したことを機に拡張されました。最盛期には2万人の従業員が勤務し、地域経済にも大きく貢献しました。

最初に進水した艦は、オーリック（USS Aulick, DD-569）で、1942年3月2日にその姿を現しました。最後に進水した艦は、カーペンター（USS Carpenter, DD-825）で、1945年12月28日に進水しました。これらの艦艇は、第二次世界大戦において重要な役割を果たしました。

ウィルミントン造船所

カリフォルニア州ウィルミントンに位置するウィルミントン造船所は、1941年にコンソリデーテッド・スチールがアメリカ海軍から海事調停委員会契約を獲得した後に設立されました。最盛期には1万2,000人の従業員が勤務し、地域社会に雇用機会を提供しました。

戦後、ウィルミントン造船所は廃止され、現在はロサンゼルス港の自動車ターミナル196番および197番埠頭となっています。造船所の面影はほとんど残っていませんが、かつて多くの人々がここで働き、国の防衛に貢献したという歴史は記憶されています。

戦後の動向

終戦後間もない1945年、コンソリデーテッド・スチールは、戦時中の造船会社であったカリフォルニア州のウェスタン・パイプ・アンド・スチール社の資産を620万ドルで買収しました。この買収により、コンソリデーテッド・スチールは事業規模を拡大し、さらなる成長を目指しました。

ウェスタン・パイプ・アンド・スチールの資産とコンソリデーテッド・スチールの資産は、1948年に1,700万ドル以上でUSスチールの一部門であるコロンビア・スチール社に売却され、コンソリデーテッド・ウェスタン・スチール社が創立されました。コンソリデーテッド・スチールの社長であったオールデン・G・ローチがコンソリデーテッド・ウェスタン・スチールの社長に就任し、新たな会社の舵取りを担いました。

コンソリデーテッド・ウェスタン・スチールは、後に親会社であるUSスチールに吸収合併されました。これにより、コンソリデーテッド・スチールの名前は歴史の中に消えることとなりました。

コロンビア・スチールへの売却後、コンソリデーテッド・スチールの残余財産はコンソリデーテッド・リキデーティング社が引き継ぎましたが、同社は1952年1月29日に解散しました。

まとめ

コンソリデーテッド・スチールは、アメリカの鉄鋼・造船業において重要な役割を果たした企業でした。第二次世界大戦中は、2つの造船所で多くの艦艇を建造し、戦後のアメリカ経済にも貢献しました。USスチールへの吸収合併により、その名前は消えましたが、アメリカの産業史における重要な足跡を残しました。

外部リンク

Orange, Texas shipbuilding record
Wilmington, California shipbuilding record

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