コント55号

コント55号の軌跡

コント55号は、萩本欽一と坂上二郎からなる日本のお笑いコンビで、1966年に結成されました。東京都台東区出身の萩本と鹿児島出身の坂上は、独特なスタイルでお笑い界に鮮烈な印象を残しました。彼らは浅井企画に所属し、特に「なんで（ど～して）そうなるの！」や「飛びます！ 飛びます！」といった個性的なギャグで広く知られています。

彼らの活動の始まり

1966年、萩本は熱海温泉で「机」という一人コントを演じる準備をしていたところ、坂上からコンビを組む提案を受けます。彼らは浅草松竹演芸場で初演を行い、初めはあまり反応は良くありませんでしたが、役を入れ替えると観客からの評判は急上昇。五日目には正式に名前が付けられ「コント55号」となりました。

1970年代には、テレビ番組「お昼のゴールデンショー」や「コント55号の世界は笑う」といった人気番組で幅広く知られる存在に。彼らは「同じコントは二度とやらない」という方針を謳い、テレビでの多様なネタを基にどんどん新しいキャラクターを創出しました。

笑いのスタイルと特徴

コントの中心は、善良な市民役の坂上に対して、異常なキャラクターを演じる萩本のコンビネーション。坂上が戸惑う姿が多くのユーモアを生み出し、萩本の独自のツッコミが際立ちます。特にその執拗さと予想外の応答が、コントに楽しさを加える重要な要素でした。彼らのスタイルは、他のコメディアンたちにも影響を与え、日本のお笑いの歴史の一部を形成したのです。

1975年以降、坂上の俳優活動が増え、萩本と坂上はコント55号としての活動をセーブ。しかし、解散はせず、彼らは個々に活動を続ける中で、互いを「最大のライバル」と認識していました。

芸能活動の成果と受賞

2009年、したまちコメディ映画祭で『第2回コメディ栄誉賞』を受賞。かつて「お笑い界のホームラン王」を目指すとされていたコント55号の名は、長年の進化と努力によって再び輝きを取り戻しました。しかし、2010年には坂上が脳梗塞を患うと、コント55号の活動は事実上終わりを告げ、その後、坂上が2011年に逝去したことで、本当にピリオドが打たれました。

55号という名前の由来

「コント55号」の名称の由来には諸説ありますが、王貞治の55本のホームランにかけた意図や、当時流行していたゴーゴーダンスの影響があるとも言われています。真実は不明ですが、55号名の持つ歴史的背景は、萩本自身も強く意識していたとされています。

ライバルとコミュニティー

コント55号を語る上で重要なのは、その人気を二分した「ザ・ドリフターズ」との関係です。萩本は、ドリフを「戦友」とし、友好的なライバル関係を築いていました。一方、坂上は、主に萩本をライバルだと公言。お互いが高めあう存在であったのは確かで、双方のコント・コメディは日本のお笑い文化に深い影響を与えたのです。

最後に

承継されたコメディのスタイルは、今も多くの後進に受け継がれています。コント55号の痕跡は、そのユーモアやスタイルを通じて、これからも多くの人々を笑顔にすることでしょう。

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