コンピュータエンターテインメントレーティング機構

コンピュータエンターテインメントレーティング機構（CERO）について

コンピュータエンターテインメントレーティング機構（CERO）は、2002年に設立された日本の特定非営利活動法人で、家庭用ゲームソフトや一部のパソコンゲームに関する倫理基準の策定および審査を行っています。この機構の目標は、ゲームの表現が適切かどうかを評価し、特定の年齢層に応じたレーティングを付与することです。特に暴力表現、性的内容、反社会的要素に強い関心を寄せており、これらの基準に基づき、ゲームの販売を管理しています。

設立の背景と目的

CEROが設立される以前は、各ゲーム機メーカーが独自の基準でゲームを審査していました。しかし、この方法では基準の不統一が問題となり、同じ内容のゲームでもメーカーによって扱いが異なることがありました。これが原因で、コンテンツの修正を余儀なくされることもありました。このような状況を解決するため、業界全体で共通の基準を設ける必要があり、CEROが誕生しました。設立当初は、ゲームへの風当たりが強く、業界自体がレーティング制度を必要としていたわけではありませんが、社会に対する姿勢を明確にすることを目的に活動が始まりました。

会員制度と審査の流れ

CEROは会員制度を採用しており、賛同者は正会員と賛助会員に分類されます。国内でゲームを流通させるには、CEROによる審査が不可欠であり、多くのメーカーがこの審査を受けるために会員になっています。ゲームの審査は、応募者が提出した情報に基づいて行われ、3人の審査員が対象年齢を決定します。この審査には費用がかかりますが、会員の場合は非会員に比べて割引があります。

レイティング制度と表現の規制

CEROのレイティング制度は、主にアメリカのESRBを参考にして策定されています。具体的には、表現内容に基づいて対象年齢を決定し、ゲームパッケージやオンラインショップに表示されます。レイティングにはいくつかの区分があり、特定のコンテンツに該当するとアイコンが付与されます。性行為や過度な暴力の表現は、禁止されているため、これらが含まれるゲームはレーティングを受けられず、流通も不可となります。

国際的な比較と影響

国際的な評価機関であるIARCとは異なり、CEROは国内専用の審査機関であり、そのため審査料金が必要となります。また、CEROがレーティングを付与したゲームが、他国での販売時に障害となりうるため、特に海外のメーカーにとっては負担となることがあります。このように、CEROの存在は日本国内でのゲーム販売に大きく影響を与えています。

コンテンツアイコンの利用

CEROでは、ゲームに含まれる内容を示すためのコンテンツアイコンを導入しており、これによって消費者は購入前にゲームの内容を容易に把握できます。アイコンは、性表現や暴力表現など、具体的なリスク要素を示しており、パッケージやオンラインストアに表示されます。

批判と課題

しかし、CEROの審査制度には批判もあります。特に、基準が明確でないことや、外国製タイトルに対する偏見が指摘されています。また、特定の表現の審査が厳しすぎるために、結果としてゲーム販売が不可能になるケースも見受けられます。これにより、国際的には取り扱われているタイトルでも、日本国内では流通しない事例が増えつつあります。

まとめ

CEROは、日本におけるゲームの倫理的な側面を管理する重要な機関として機能しており、レーティング制度は年齢に応じて安全なゲーム環境を提供するために不可欠なものとなっています。今後も変化するゲーム業界の中で、その役割が果たされることが期待されます。

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