コーデュロイ

コーデュロイ：温かみのある冬の定番素材

コーデュロイは、綿を横ビロード織りにしたパイル織物の一種です。ベッチンと同じ織り方で作られますが、表面に現れる縦方向の畝（うね）が特徴です。この畝が空気を保持することで、高い保温性を発揮し、冬服によく用いられます。

コーデュロイの特性

素材: 主に綿を使用しますが、ポリエステルやレーヨンなどの化学繊維を混紡したものもあります。
織り方: 横ビロード織りで、パイルを切って畝を作ります。
畝: 畝の太さや間隔によって、様々な表情を見せます。太畝のものはカジュアルな印象、細畝のものは上品な印象を与えます。
保温性: 畝の間に空気を蓄えるため、保温性に優れています。
肌触り: 柔らかく、温かみのある肌触りが特徴です。

製造方法

生地を裁断する際には、通常とは逆に下から上に向かって逆毛を立てるように裁断することが多いです。これは、光の反射を一定にし、見た目の均一感を出すためです。

日本におけるコーデュロイ

日本では「コール天」という名前で親しまれています。これは、「cord（コーデュロイ）」と「天鵞絨（てんがじゅう、ビロードの和名）」を組み合わせた言葉です。一般的にはコール天とコーデュロイは同じものを指しますが、テキスタイル業界では、微妙な風合いの違いで区別されることがあります。

日本のコーデュロイ製造は、静岡県磐田市（旧・磐田郡福田町）が中心で、国内生産の95%以上を占めています。

コーデュロイの語源

コーデュロイの語源は、かつてフランス語の「王の綱（corde du roi）」から来ているとされていましたが、これは俗説です。現在では、「cord（紐、畝）」と、西イングランド発祥の毛織物「deroy」を組み合わせたとする説が有力です。

コーデュロイの応用

コーデュロイはその独特の風合いと機能性から、様々な用途に利用されています。

衣服: ジャケット、ワイシャツ、ジーンズ、カーゴパンツなど、幅広いアイテムに使用されます。
雑貨: バッグ、帽子、クッションカバーなどにも用いられます。
工業用: 黒板消しやレコードクリーナーなど、摩擦を利用する用途にも活用されます。

類似の生地

ベルベット: コーデュロイと同じくパイル織物ですが、製法が異なります。ベルベットは毛足が短く、滑らかな光沢があります。
ベッチン: コーデュロイと同じ横ビロード織りですが、畝がなく、毛足が均一にカットされています。

その他

絵本『くまのコールテンくん』は、アメリカの絵本『Corduroy』の日本語版です。コール天の呼称に合わせてタイトルが変更されています。

コーデュロイは、その温かみのある風合いと実用性から、長く愛されている素材です。冬のファッションに取り入れて、その魅力を楽しんでみてはいかがでしょうか。

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