コードネームミラージュ

『コードネームミラージュ』：存在しない男の物語

2017年4月よりテレビ東京系で放送された連続テレビドラマ『コードネームミラージュ』。全25話からなる本作は、広井王子が原作を手掛け、ノワールタッチのシリアスでハードボイルドな展開が特徴です。キャッチコピーは「俺はこの世に存在しない」。

国家の闇に潜む特殊部隊

物語は、現代日本の犯罪を取り巻く混沌とした状況から始まります。政府や警察が巨悪の横行を放置する中、ある警察庁幹部は闇で犯罪者を処断する特殊部隊「K-13」を密かに結成しました。その存在は極秘裏に保たれ、隊員たちは法的には存在しない扱い。死後も、生きていた痕跡すら残されません。

K-13は、警察庁警備局局長の左文字外記から指令を受け、警備局公安特殊課課長の御崎蔵人が部隊を指揮。ハッカーのドブネズミこと木暮美佳子が情報処理を担い、実働部隊としてコードネーム「ミラージュ」こと森山真一が暗躍します。そして、ミラージュの行動の後始末は、スモークこと姫島公平率いる公安部隊が完璧に処理します。

ミラージュ：感情を喪失したエージェント

ミラージュは、高度なセンサー内蔵眼鏡とサプレッサー付き拳銃を装備し、AI搭載車両「ロビン」と共に犯罪者を抹殺していきます。過去の大怪我により常人を超える戦闘能力を身につけたものの、感情と記憶を失っており、寡黙で無愛想な人物として描かれています。しかし、相棒のロビンや親しい人物には、普段は見せない一面を見せることもあります。物語が進むにつれ、失われた記憶と感情を取り戻し始め、殺人機械としての彼から、人間としての彼へと変化していきます。

巨悪との対決と組織の崩壊

不動産王で裏社会の大物、鯨岡憐次郎が事件に関与しているとして御崎のマークを受けます。鯨岡もK-13の存在に気付き、姫島を拉致・拷問しますが、ミラージュの活躍により姫島は救出されます。その後、鯨岡は警視庁に逮捕され、獄中から反撃の機会を伺います。

K-13は、反社会勢力やテロ組織の殲滅、誘拐・監禁事件の解決など多岐にわたる任務を遂行しますが、その行動は常に表沙汰になることを避け、「内輪揉め」や「失踪」として処理されます。しかし、左文字の腐敗した権力志向により、K-13は徐々に崩壊に向かいます。最終的には、ミラージュ自身も左文字に追われる身となり、組織は解体されます。

主要登場人物

ミラージュ（森山真一）：K-13の実働エージェント。高い戦闘能力を持つが、感情と記憶を失っている。
ロビン：ミラージュの相棒であるAI搭載車両。自律運転機能や高度な情報収集能力を持つ。
ドブネズミ（木暮美佳子）：K-13のサポートメンバー。卓越したハッキングスキルを持つ女性ハッカー。
スモーク（姫島公平）：K-13のリーダー。格闘技に長けた公安特殊課員。
左文字外記：K-13の創設者。警察庁警備局局長。
御崎蔵人：K-13の指揮官。警察庁警備局公安特殊課課長。
* 鯨岡憐次郎：不動産王で裏社会の大物。K-13最大の敵。

複雑な人間関係と陰謀

『コードネームミラージュ』は、個性豊かな登場人物たちの複雑な人間関係、そして国家レベルの陰謀が絡み合う、緻密に構成された物語です。それぞれの正義と欲望、そして葛藤が描かれ、視聴者を最後まで引き込みます。13話と25話は総集編的な内容となっており、特に最終回は今後の展開を予感させる終わり方となっていますが、2024年現在も続編は制作されていません。

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