コードロン G.4

コードロン G.4

コードロン G.4は、第一次世界大戦期のフランスにおいて設計された複葉の双発複座偵察・爆撃機です。設計者であるガストン・コードロンは、その兄弟ルネと共に航空機の開発を行い、1915年に初飛行を果たしました。彼らはG.3の改良型としてこの機体を開発し、前作に比べて爆撃機としての能力を向上させました。

機体の詳細

G.4は、前任機G.3の信頼性を引き継ぎつつも、さらなる利便性を求めて設計されました。主翼間に配置された操縦席両側には、ル・ローヌCまたはアンザニ10の2基のエンジンが搭載されており、これにより高い速度性能を実現しました。また、機体には4つの垂直尾翼があり、そのうちの2つが方向舵として機能することで操作性を高めています。

生産と運用

G.4はフランス国内で1,358機が生産され、イタリアやブリタニアでもそれぞれ51機と12機が製造されました。1915年11月にはフランス空軍によって初の双発機として運用が開始され、前線から離れたラインラント地域への昼間爆撃任務に就くことになります。しかし、ドイツ空軍の戦闘機の性能向上に伴い、損害が増加したため、早々に夜間爆撃任務へと切り替えられました。1916年には爆撃任務から退くこととなりましたが、大英帝国海軍航空隊でも爆撃機として採用され、敵の施設への爆撃に使用されました。

戦後もG.4は様々な国で運用が続きました。イタリアのアルプス戦線において偵察機として、ロシアでも同様に運用されたほか、フィンランド空軍では救急飛行機としての利用もされました。

戦闘の歴史

G.4は、連合国側で最も著名なエースパイロットの一人、ルネ・フォンクが初めて撃墜した機体としても知られています。彼は固定機銃を搭載したG.4を用いて、敵機を撃墜する戦果を上げました。その中で、特に印象的な戦闘は、5機のアルバトロス戦闘機を相手にしながらも無傷で生還したというエピソードです。この活躍により彼は戦闘機部隊への転属を果たしました。

日本での導入

1920年、日本陸軍はフランスからG.4を3機（または10機）輸入し、陸軍初の双発機としての訓練用に供しました。操縦者からはその操縦性と安定性が高評価されましたが、新型丁式二型爆撃機も複操縦式であるため、G.4はあまり活用されないまま、1922年には退役しました。

機体のバリエーション

コードロン G.4にはいくつかの派生型があります。

• - A2型: 無線機装備の弾着観測・偵察機。
• - B2型: 爆撃型であり、最大搭載量は100kg。
• - E2型: 練習機型。
• - IB型: 防弾装備型。

これに加えて、G.6型はG.4の発展型であり、胴体と尾翼の構造に改良が施されています。

性能諸元

最後に、G.4の主な性能諸元を以下に示します。

• - 乗員: 2名
• - 全長: 7.27m
• - 翼幅: 17.20m
• - 全高: 2.60m
• - 空虚重量: 733kg
• - 全備重量: 1,180kg
• - 発動機: ル・ローン C 回転式空冷星型9気筒×2
• - 最高速度: 124km/h
• - 実用上昇限度: 4,000m
• - 航続距離: 3時間30分
• - 武装: 旋回機銃×1、爆弾は最大100kg搭載可能です。

このように、コードロン G.4はその独自の設計と戦歴を通じて、第一次世界大戦における重要な航空機の一つとなりました。

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