コーペル屑

コーペル屑：黄銅スクラップの基礎知識

黄銅の加工過程で生じる金属くずである『コーペル屑』は、産業において重要な役割を担う非鉄金属スクラップです。その名称の由来は定かではありませんが、黄銅板の切断や打ち抜きによって発生する、比較的大きな金属片を指します。JIS規格では『2号新黄銅くず』として分類されており、リサイクル原料として広く利用されています。

コーペル屑の特徴

コーペル屑の最大の特徴は、その組成にあります。一般的に銅60%、亜鉛40%程度の割合で構成されており、美しい黄銅色を呈しています。この比率は、原料となる黄銅板の種類や加工方法によって若干の変動がありますが、ほぼ一定の範囲に収まります。また、形状は不規則なものが多く、一辺10mm以上の比較的大きな金属片が一般的です。JIS規格では、厚さ0.2mm以上のものをコーペル屑として規定しています。小さな金属片は、コーペル屑とは別の分類に属します。

コーペル屑とその他の金属くず

コーペル屑と混同されやすい金属くずとして、『セバ屑』があります。セバ屑も黄銅から発生するスクラップですが、コーペル屑と比べて粒子が小さく、形状も異なります。コーペル屑が比較的大きな金属片であるのに対し、セバ屑は細かい粉状や粒状であることが多く、用途も異なります。そのため、両者は明確に区別されています。

コーペル屑の用途

コーペル屑は、その金属組成から、黄銅の再資源化に利用されます。回収されたコーペル屑は、選別・洗浄などの工程を経て、再び黄銅の製造原料として活用されます。これは、資源の有効利用と環境保全の観点から非常に重要です。近年では、環境意識の高まりから、金属スクラップのリサイクルが盛んに行われており、コーペル屑の需要も増加しています。

JIS規格とコーペル屑

JIS規格では、コーペル屑は『2号新黄銅くず』として規定されています。この規格では、コーペル屑の化学組成、形状、大きさなどが詳細に定められており、品質管理において重要な役割を果たしています。製造業者やリサイクル業者などは、このJIS規格に準拠することで、安定した品質のコーペル屑の供給と取引を行うことができます。

まとめ

コーペル屑は、黄銅加工に伴って発生する金属くずであり、銅と亜鉛を豊富に含む重要な資源です。JIS規格に基づいた品質管理のもと、リサイクル産業において重要な役割を果たしており、資源の有効活用と環境保全に貢献しています。その特徴である大きな金属片と、セバ屑との違いを理解することで、金属スクラップの分類や処理に関する知識を深めることができます。

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