コーラス (音響機器)

コーラス：音に広がりと奥行きを与えるエフェクター

コーラスは、主にエレクトリック・[[ギター]]やベースで使用されるエフェクターで、音に独特の広がりや厚みを加える効果があります。まるで12弦[[ギター]]のような豊かな響きや、艶のあるサウンドを作り出すことができ、楽曲に深みを与えます。

コーラスの仕組み

コーラスの基本的な仕組みは、原音に加えて、わずかに遅延させた音を重ね合わせることで、音の揺らぎを作り出すというものです。この遅延時間にごくわずかな変化（モジュレーション）を加えることで、より自然で奥行きのあるコーラス効果が得られます。

フランジャーやフェイザーといったエフェクターも、同様にモジュレーションを利用していますが、コーラスは一般的に、これらのエフェクターよりも控えめに使用されることが多いです。フランジャーやフェイザーが強い効果を狙うのに対し、コーラスは穏やかで爽やかな効果、または音に艶を出す目的で使用されます。

コーラスの種類と特徴

コーラスには、アナログとデジタルの2種類があります。

アナログ・コーラス: 温かく、自然なサウンドが特徴です。BBD（Bucket Brigade Device）と呼ばれる遅延素子を使用しており、独特の揺らぎ感が得られます。
デジタル・コーラス: よりクリアで、多彩なサウンドを作り出すことができます。細かな設定が可能で、様々な音楽ジャンルに対応できます。

また、コーラスには、モノラルとステレオの2種類があります。

モノラル・コーラス: 音に広がりを加える効果があります。
ステレオ・コーラス: より広い空間的な広がりを作り出すことができます。ギター2本で演奏しているような、ステレオ効果や複数演奏であるユニゾン効果が得られます。

コーラスの使い方

コーラスは、ギターだけでなく、ボーカルやブラスなど、様々な楽器に使用できます。ギターに使用する場合は、アルペジオやカッティングなど、コードを分散して演奏する際に使用すると、より効果的です。また、ボーカルに使用する場合は、音に艶を出し、存在感を高めることができます。

少し高度なテクニックとして、リバーブを通した残響音にのみコーラスをかけるという方法があります。これにより、原音のクリアさを保ちつつ、空間的な広がりを加えることができます。このテクニックは、特にボーカルパートで使用すると、幻想的な効果を得ることができます。

コーラスの歴史と代表的な機種

コーラスエフェクターを広めたのは、ローランドの「JC-120」というギターアンプに内蔵されたコーラスと、コンパクトエフェクターの「CE-1」だと言われています。

その後、ラックマウントタイプの「Dimension D SDD-320」が登場し、レコーディングスタジオの定番エフェクターとなりました。

また、t.c.electronic社のコーラスは、繊細で美しいコーラスサウンドで、多くのスタジオミュージシャンに愛用されています。特に、パット・メセニーのサウンドは、1970年代後半から1980年代にかけて、コーラスサウンドの定番として多くのギタリストに影響を与えました。

その他の主なコーラスエフェクターブランドとしては、BOSS、Electro-Harmonix、Ibanez、ZOOMなどがあります。

コーラスを使用した代表的な楽曲

Smells Like Teen Spirit / Nirvana（Electro-Harmonix Small Cloneを使用）
ロビンソン / スピッツ（イントロやサビのギターアルペジオに使用）

まとめ

コーラスは、ギターやベースのサウンドに広がりと深みを加える、非常に汎用性の高いエフェクターです。様々な音楽ジャンルで使用されており、その効果は多岐にわたります。ぜひ、コーラスを導入して、あなたのサウンドをより豊かにしてみてください。

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