ゴグとマゴグ

ゴグとマゴグ：終末に現れる神に逆らう勢力

ゴグとマゴグは、聖書のエゼキエル書やヨハネの黙示録に登場する、神に逆らう象徴的な勢力です。旧約聖書、新約聖書、クルアーン、そしてブリテン島の伝承など、様々な文献で異なる形で語られています。

聖書におけるゴグとマゴグ

エゼキエル書

エゼキエル書では、ゴグはマゴグの地の出身で、メセクとトバルの大君（総首長）として描かれています。ゴグは強大な軍勢を率いてイスラエルに攻め込み、神の裁きを受けるとされています。

ゴグの軍勢には、ペルシャ、エチオピア、プテなどの国々が加わるとされ、その規模は強大です。ゴグはイスラエルを攻撃する計画を立てますが、神の怒りによって滅ぼされます。

神は地震、疫病、流血、そして火と硫黄によってゴグとその軍勢を滅ぼし、その聖なる力を諸国民に示すとされています。

ヨハネの黙示録

ヨハネの黙示録では、千年王国が終わるとサタンが解放され、ゴグとマゴグを率いて聖なる者たちの陣営を攻撃するとされています。しかし、天から火が下って彼らを焼き尽くすとされています。

ゴグとマゴグの数は非常に多く、海の砂のように多いと表現されています。彼らは地上の広い場所に攻め上りますが、最終的には神の力によって滅ぼされます。

クルアーンにおけるゴグとマゴグ

クルアーンでは、ゴグとマゴグはヤージュージュとマージュージュという名で言及されています。ズル＝カルナイン（一般的にアレクサンドロス大王と同一視される）が、彼らを防ぐために鉄の壁を築いたとされています。

終末の時には壁が崩れ、ゴグとマゴグが世界に侵入するとされています。彼らの出現は、終末の兆候の一つとされています。

ブリテン島の伝承

ブリテン島には、聖書のゴグとマゴグを基にした伝承が存在します。ここでは、ゴグとマゴグは「巨人の悪魔」として描かれています。

伝承によれば、ローマ皇帝ディオクレティアヌスの娘が悪魔の妻となり、巨人の悪魔たちを生んだとされています。ゴグとマゴグの兄弟は捕虜となり、ロンドンの守護者として崇められるようになったとされています。

現在でも、ロンドンで行われる「ロード・メイヤーズ・ショー」という祭りで、ゴグとマゴグのパレードが行われています。

象徴的な意味

ゴグとマゴグは、しばしば終末における悪の勢力や、神に逆らう人間の傲慢さを象徴するものとして解釈されます。彼らの出現は、終末の到来を告げる兆候であり、神の裁きが近づいていることを示唆すると考えられています。

まとめ

ゴグとマゴグは、聖書やクルアーン、そして様々な伝承において、終末に現れる神に逆らう勢力として描かれています。彼らは強大な力を持つものの、最終的には神の力によって滅ぼされる運命にあります。ゴグとマゴグの物語は、善と悪の戦い、そして神の正義の勝利を象徴するものとして、今日まで語り継がれています。

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