ゴジだっちゃ!

『ゴジだっちゃ!』の概要

『ゴジだっちゃ!』は、NHK仙台放送局がNHKラジオ第1放送で送り出した地域情報番組です。2012年4月2日から2022年3月11日まで、宮城県、岩手県、福島県の各地域に向けて、平日夕方に放送されました。番組開始当初は「宮城100%井戸端ラジオ」という副題が付けられていました。

放送開始の背景

この番組の企画・開始には、東日本大震災の経験が深く関わっています。震災を通じて、災害時における手軽な情報源としてのラジオ、特にアナログラジオの重要性が改めて強く認識されました。NHK仙台放送局は、この教訓を活かし、普段から地域住民がラジオを聴く習慣を育むことを目指しました。

それまで金曜日に放送されていた地域番組『情報ボックスみやぎ』を終了させ、より幅広い地域、より頻繁に情報を届けられるよう、平日夕方の17時台に帯番組として新たな地域番組をスタートさせる運びとなりました。こうして2012年4月2日に『ゴジだっちゃ!』の第1回放送が実現しました。ただし、初回放送日は選抜高校野球大会の日程順延の影響を受け、放送時間が短縮されるという出来事がありました。

震災発生時、石巻市出身で長年東北地方での活動が深かった仙台局の津田喜章アナウンサーや、『今夜はなまらナイト』で知られる山形局の柴田徹アナウンサーといった、地元に根ざしたアナウンサーたちの存在は、被災された方々や避難生活を送る人々にとって精神的な支えとなりました。このような経験を踏まえ、『ゴジだっちゃ!』では、番組の最後を締めくくるNHKのアナウンサーを除き、パーソナリティとして長年言葉の世界で活動してきた宮城県出身の人材を起用するという方針が取られました。

番組の特色

番組名の「ゴジだっちゃ!」という響きは、仙台地方で親しまれている方言に由来しており、地域に根ざした番組であることを象徴しています。

番組のエンディングでの挨拶も特徴の一つでした。2020年度までは、メインパーソナリティである杉尾アナウンサーが「もうすぐ」と呼びかけた後、出演者全員で声を揃えてコールしていました。通常放送の午後6時まで放送される場合は「ロクジ（6時）だっちゃ!」、木曜日の『にっぽん列島夕方ラジオ』内での午後5時55分までの放送の場合は「ゴジゴジュウゴフン（5時55分）だっちゃ!」と締めくくられました。2021年度からは、杉尾アナが「みちのくもそろそろ」と促し、ゲストが「ロクジだっちゃ!」と応じる形に変わりました。

また、番組の副題も時代の変化を反映しました。開始当初の「宮城100%井戸端ラジオ」は、2020年に新型コロナウイルスの感染が拡大した際、杉尾アナの挨拶の中で「マスク100%井戸端ラジオ」と一時的に変化しました。さらに、2021年度からは岩手県や福島県でもより広く聴取されるようになったことを踏まえ、「みちのく3県井戸端ラジオ」と呼称されるようになりました。

放送時間と地域

基本的な放送時間は、平日の夕方17時05分からでした。放送終了時間は地域によって異なりました。

宮城県域: 17時05分～18時00分
岩手県域: 17時05分～17時55分
福島県域: 月曜日〜水曜日 17時05分～18時00分

祝日や国会中継、選抜高校野球や大相撲など、特別編成が組まれる際には、放送時間が短縮されたり、休止になったりすることがありました。

2018年4月からは、木曜日に放送される『にっぽん列島夕方ラジオ』を通じて、関東地方など一部地域を含む全国にも番組の一部が届けられるようになりました。ただし、この場合、宮城県以外の地域では17時55分で番組が終了（飛び降り）となりました。

さらに、毎月最終週の金曜日は、NHK沖縄放送局が制作する『沖縄熱中倶楽部』が九州地方をはじめとする広範囲で放送されるため、『ゴジだっちゃ!』は休止となりました。

インターネット配信

インターネットを通じた番組の配信も積極的に行われました。

らじる★らじる: 2013年5月28日からは、NHKのインターネットラジオサービス「らじる★らじる」を通じて、全国どこからでもリアルタイムで番組を聴くことが可能になりました。さらに、放送終了後1週間はオンデマンド形式で「聴き逃し配信」が行われ、リスナーは都合に合わせて番組を楽しむことができました。
radiko: 2017年10月2日からは、民放のラジオポータルサイト「radiko」でも宮城県内への配信が始まりました。その後、2018年4月12日からは宮城県以外の東北5県にもradikoでの配信地域が拡大され、東北地方の広い範囲でインターネット経由での聴取が可能となりました。

主な出演者

番組の進行役として中心を担ったのは、NHK仙台放送局の杉尾宗紀チーフアナウンサー（当時）でした。

杉尾アナウンサーの他には、日替わりで「だっちゃ通信員」が登場しました。この通信員は、宮城県内在住者や宮城県にゆかりのある人々など、県内外から参加する様々な顔ぶれで、地域に根ざした話題や情報を届けました。

過去には、以下の人々が番組に出演していました。

後藤心平氏: 元フリーアナウンサー。2012年度に金曜日の出演を担当し、ディレクターも兼務しました。
髙野志津氏: 元東北楽天ゴールデンイーグルスのウグイス嬢で、仙台局の番組出演契約キャスターでした。パリでお菓子作りを学んだという異色の経歴も持っています。
加藤成史氏: 元仙台局チーフアナウンサー。2015年度から東京へ転勤となり、『NHKマイあさラジオ』の担当となったため番組を降板しました。
竹内ゆみ氏: 仙台局の番組出演契約キャスター（当時）。

他地域の類似番組

『ゴジだっちゃ!』が開始された2013年度前後のNHKの改編期には、東北地方だけでなく全国各地でも、ラジオでの地域情報番組を強化する動きが見られました。同時期や同じ時間帯に放送されていた主な地域番組としては、以下のような例があります。

『福島のお耳に ふくみみラジオ』（NHK福島放送局）
『夕刊 ゴジらじ』（NHK名古屋放送局）
『関西ラジオワイド』（NHK大阪放送局ほか関西6府県向け）
『金曜夕方 どぉ〜かいの』（NHK広島放送局）
『はっけんラジオ』（NHK福岡放送局ほか九州沖縄8県向け）

番組の終焉とその後

『ゴジだっちゃ!』は、2022年3月11日の放送をもって、約10年間の歴史に幕を下ろしました。

後継番組としては、2022年4月4日から『Nandary（ナンタリー）』が放送を開始しました。『Nandary』は、『ゴジだっちゃ!』が放送されていた宮城、岩手、福島に加え、新たに青森県、秋田県、山形県も放送地域に加わり、東北6県全域で聴取可能な番組となりました。

関連情報

番組に関する詳しい情報は、NHK仙台放送局の公式サイト内に設けられていた番組ページで確認することができました。このページには、出演者が次回放送の予告や、個人的な近況などを投稿するユニークな仕掛けが用意されていました。

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