ゴタルゼス2世

ゴタルゼス2世：動乱の時代のパルティア王

ゴタルゼス2世（生年不詳 - 51年、在位：38年頃 - 51年）は、アルサケス朝パルティアの王として、動乱の時代を生きました。彼の父とされるギューの出自は不明ですが、王族の一員であったと考えられています。

王位簒奪と内乱

ゴタルゼス2世は、アルタバヌス2世の死後、その息子たちを殺害し、王位を簒奪しました。しかし、アルタバヌス2世の息子の一人であるヴァルダネス1世は逃亡に成功し、ゴタルゼス2世に対して反旗を翻します。

40年、ヴァルダネス1世は軍事活動を開始し、ゴタルゼス2世は敗北を喫して東方へと逃れ、ヒルカニアに身を寄せました。そこで、ダハェ族の支持を得て勢力を回復し、パルティア東部へと勢力を拡大します。これに対抗するため、ヴァルダネス1世も東方遠征を敢行しますが、両者の間で決定的な決着はつかず、一時的に講和が成立しました。

再び戦火へ

43年、再び戦いが始まりますが、ゴタルゼス2世はヴァルダネス1世に敗北し、勢力を大きく減退させました。ヴァルダネス1世はパルティアの大部分を支配下に置きますが、47年に暗殺されてしまいます。これにより、ゴタルゼス2世は単独のパルティア王として返り咲きました。

さらなる反乱と失墜

しかし、ゴタルゼス2世の支配は長くは続きませんでした。カーレーン氏族を中心とする貴族たちが、ローマに送られていたヴォノネス1世の息子、メヘルダテスを擁立し、新たな反乱が発生します。メヘルダテスはローマの支援を受け、パルティア領に侵攻しますが、ゴタルゼス2世はこれを迎え撃ち、メヘルダテスを捕らえることに成功しました。メヘルダテスは、報復として両耳を削ぎ落とされたと伝えられています。

死とその後

メヘルダテスを破ったのも束の間、ゴタルゼス2世は病に倒れ、間もなく死去しました。彼の死後、メディアの王であった兄弟のヴォノネス2世が王位を継承しました。

ゴタルゼス2世の治世は、簒奪、内乱、反乱が絶えず、パルティアの不安定な時代を象徴しています。彼は一時的に勢力を拡大するも、最終的には病に倒れ、その短い生涯を終えました。

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