ゴッド・アーム

ゴッド・アーム

『ゴッド・アーム』は、梶原一騎が原作、桑田次郎が作画を手がけた日本の漫画作品。1976年18号から1977年29号にかけて『週刊少年サンデー』（小学館）で連載されました。正義のために戦うサイボーグの活躍を描いた作品です。

あらすじ

198X年、香港で開催された全世界空手選手権。日本のエース、東郷日出人選手が謎の狙撃によって命を落とします。父である東郷直樹博士は、科学の力で息子を蘇らせるという禁断の実験に手を染め、日出人を蘇生させることに成功します。しかし、ゲバルト博士一味の陰謀により、蘇った日出人は生前の100倍もの力を持つ怪物サイボーグへと変貌してしまうのでした。

苦悩の末、日出人は「ゲバルト一味と戦う謎の超人ゴッド・アーム」として、世間にその存在を知られるようになります。

登場人物

東郷日出人（とうごう ひでと）／ゴッド・アーム
本作の主人公。空手家として世界的に有名で、その実力は六段。必殺技である空手チョップは、常人離れした威力から「神の腕」とまで称されていました。ゲバルト博士一味によって狙撃され死亡しますが、父の手によって蘇生。細胞強化エネルギーV100の影響もあり、生前の100倍の能力を持つサイボーグとして生まれ変わります。ゴッド・アームという名前は、矢代純少年が名付けました。
ゲバルト博士に捕獲され、脳の一部をナチスドイツの三悪魔の脳と入れ替えられたことで、一時はゲバルト博士に従う怪物と化し、世間から「怪人」と呼ばれます。しかし、矢代里奈のヴァイオリン演奏によって記憶と人格を取り戻し、以降はゲバルト一味と戦う正義の超人として活躍します。
作中ではサイボーグと呼ばれていますが、機械的な部品が埋め込まれているわけではなく、細胞レベルで能力が向上、または追加された存在です。

東郷直樹博士（とうごう なおき）
日出人の父であり、科学者。「次の学会で論文が発表されればノーベル賞は間違いない」と言われるほど優秀な科学者でしたが、日出人の死をきっかけに禁断の道へ。山荘の地下研究室で息子の蘇生を試みます。蘇生後の日出人の怪力に、科学の限界を感じつつも、ゲバルト一味に対抗できる唯一の存在として、ゴッド・アームの強化に尽力します。

矢代里奈（やしろ りな）
世界的に有名なヴァイオリニストであり、日出人の婚約者。日出人がゲバルト一味に操られている際、彼女の演奏が日出人の記憶を取り戻すきっかけとなります。

矢代純（やしろ じゅん）
里奈の弟で、日出人とは兄弟同然の間柄。サイボーグとなった日出人の空手チョップを見て、その正体を見抜きます。

桑原警部（くわばら）
警視庁の刑事。ゲバルト一味から矢代姉弟を護衛する任務に就きます。純との連携で、洗脳されたゴッド・アームから日出人の記憶を取り戻すことに成功しました。

ゲバルト一味
ゲバルト博士が率いるナチス残党の組織。地球征服を目的としており、超科学兵器を駆使します。後に宇宙人との同盟も明らかにになります。

ハインリッヒ・ゲバルト博士
天才科学者。ナチス時代から人体実験を繰り返し、「細胞強化エネルギーV100」を完成させます。日出人を蘇らせ、最強のサイボーグ兵士として利用しようと企みますが、日出人の強い意志によって阻まれます。

ゴッド・アームの能力

当初は、改造前の100倍の体力、運動能力、五感を持っていましたが、物語が進むにつれて、以下の能力が追加されていきます。

手刀からのレーザー光線発射
エネルギー吸収能力
自己復元能力
冷凍液放射能力

敵

サイボーグ・コング
ザ・ブラック・キラーズ
サイボーグ・オクトパス
サイボーグ・シャーク
ファイナル・ロボット（デビル・アーム）

書籍情報

双葉社版：全5巻
* マンガショップ版：全3巻

『ゴッド・アーム』は、正義と悪の戦い、科学の可能性と倫理、そして家族の絆を描いた作品として、今もなお多くのファンを魅了し続けています。

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