ゴッド・コントロール

「ゴッド・コントロール」は、マドンナが2019年にリリースした14枚目のスタジオ・アルバム『マダムX』の3曲目に収録されている楽曲です。マドンナ、ミルウェイズ、ケイシー・スプーナーによって作詞作曲され、アメリカにおける銃問題と銃規制という、非常にデリケートなテーマを扱っています。

マドンナは、アメリカで頻発する銃犯罪に対し、強い危機感を表明しています。6人の子供を持つ母親として、この問題に対する不安は非常に大きいと語っています。楽曲を通して、社会への警鐘を鳴らすとともに、銃規制の必要性を訴えています。

しかし、楽曲を巡っては、リリース後に騒動も発生しました。ケイシー・スプーナーが、自身の名前がソングライターとしてクレジットされていないこと、また、正当な報酬が支払われていないことを自身のInstagramで訴えたのです。ケイシー・スプーナーの主張によると、「ゴッド・コントロール」は元々2017年にミルウェイズとケイシーがケイシー自身のソロアルバムのために制作した楽曲でした。その後、マドンナとミルウェイズが手を加え、現在の「ゴッド・コントロール」として発表されたとのことです。この件に関して、公式な声明は発表されていません。

ミュージックビデオは、ジョナス・アカーランドが監督を務め、楽曲のリリースと同年の6月26日に公開されました。約8分半に及ぶこのビデオは、ナイトクラブで発生した銃乱射事件の惨劇と、マダムXに扮したマドンナがタイプライターで歌詞を打ち込む姿を中心に構成されています。実際の銃乱射事件のニュース映像なども織り交ぜられており、その衝撃的な内容が大きな反響を呼びました。

しかし、このミュージックビデオの内容に対し、批判的な意見も上がりました。マージョリー・ストーンマン・ダグラス高校銃乱射事件の生存者であり、銃規制の活動家でもあるエマ・ゴンザレスは、ビデオについて「最悪」であり「不快」であると強く非難しました。銃乱射事件の被害者や遺族感情を逆なでする内容であるという批判です。

「ゴッド・コントロール」は、銃社会アメリカの現状に対するマドンナの強いメッセージが込められた楽曲です。しかし、その表現方法を巡っては様々な意見があり、社会的な議論を呼ぶこととなりました。銃規制というテーマの難しさと、表現の自由、そして社会への影響について、改めて考えさせられる作品と言えるでしょう。

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