ゴッド・マジンガー

『ゴッドマジンガー』は、『グレートマジンガー』の企画段階における名称、あるいは『グレートマジンガー』の後番組として構想されたマジンガーシリーズの完結編企画でした。しかし、最終的にこの企画は日の目を見ることはなく、『UFOロボ グレンダイザー』が制作されることとなります。

企画の経緯

『グレートマジンガー』の初期段階では、『マジンガーZ』の原作に登場する「マジンガー軍団」編に、ゴッド（後のグレート）とその仲間たちを登場させるというプロットが存在しました。ここでは、『グレートマジンガー』の後番組として企画された完結編プロットについて詳しく解説します。

物語は、グレートマジンガーがミケーネ帝国の7大軍団の一角を打ち破るも、地獄大元帥直属の軍団の攻撃によって科学要塞研究所が壊滅、生き残った所員は光子力研究所へと避難する場面から始まります。光子力研究所では、マジンガーZを新型マジンガー「ゴッド・マジンガー」へと改造する作業が進められていました。しかし、エネルギー源を光子力から反陽子へ、装甲を超合金Zに反陽子エネルギーを照射して生成される超合金GZへと変更するという難題を抱え、開発は難航、メカ狼型のパイルダー「マシーンウル」のみが稼働可能な状態でした。

そんな中、ミケーネ帝国が光子力研究所を急襲。剣鉄也は、苦肉の策としてグレートマジンガーに反陽子炉を搭載することを提案します。しかし、それはグレートマジンガーの死を意味していました。超合金ニューZをもってしても、反陽子エネルギーの膨大な出力に耐えられないからです。鉄也は覚悟を決め出撃、ミケーネの軍団を次々と撃破していきます。しかし、グレートマジンガーは内部回路に異常をきたし、ついに停止してしまいます。そこに、マシーンウルを駆る兜甲児が駆けつけます。グレートマジンガーは勝利をもたらした代償として大破・放棄され、鉄也もまた半身不随となってしまうという悲劇的な結末を迎えます。さらに、ミケーネ帝国の策略により炎ジュンが戦死するという展開を経て、満を持してゴッド・マジンガーが登場するという、非常にハードな内容でした。

ミケーネ帝国側では、闇の帝王が「宇宙人の子孫である科学者の集団」という正体を明かし、新幹部としてアルバトロス公爵を地獄大元帥に与えるという構想もありました。ゴッド・マジンガーのデザインは、グレートマジンガーまでとは大きく異なり、鉄人28号を彷彿とさせるシンプルなものでしたが、このデザインは不評だったようで、日の目を見ることはありませんでした。

企画の頓挫とその後

この企画は結局頓挫し、『UFOロボ グレンダイザー』の企画が代わりに進められることになりました。諸事情により兜甲児が登場することになり、『グレンダイザー』が事実上のマジンガーシリーズ第3作にして完結編という位置づけとなりました。しかし、永井豪はこの状況を残念に思っており、「マジンガー・シリーズはまだ完成していないので、いつの日か完結編を実現させたい」と1980年代のインタビューで語っています。

幻となった『ゴッドマジンガー』。そのハードな展開と、従来のイメージを覆すデザインは、実現していればマジンガーシリーズに新たな衝撃を与えたかもしれません。

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