ゴルゴ13 九竜の首

『ゴルゴ13 九竜の首』

概要

『ゴルゴ13 九竜の首』は1977年に公開された日本・香港合作の映画で、主演を務めたのは千葉真一です。監督は野田幸男で、93分のランタイムを持つこの作品は、カラー・シネマスコープで撮影されています。本作は、さいとう・たかをの人気漫画『ゴルゴ13』を基にしており、特に第32話「帰ってきた標的」や第55話「ANGRY WAVES」など、原作の数話が部分的に脚色されています。

物語の舞台は、多様な場所を駆け巡ります。マイアミや香港、東京、京都、さらにはマカオと、国際的なスケールで展開されるゴルゴ13（デューク東郷）の活躍が描かれています。千葉真一は、本作で無口で無表情なキャラクターを見事に演じ切り、その姿は観客に強い印象を残します。主な脇役には、麻薬撲滅に燃える香港警察の主任刑事スミニーを演じる嘉倫をはじめ、その部下の林玲を演じる志穂美悦子、スミニーの妹で日本に留学する葉連を演じる新藤恵美など、国際色豊かなキャスティングが揃っています。

ストーリー

物語は、香港のビクトリア湾での男性の遺体発見から始まります。主任刑事スミニーは、同様の殺され方をした3人のケースから、同一犯の存在に気付き捜査を進めます。その頃、マイアミにいた麻薬シンジケートのボス、ロッキー・ブラウンは、ゴルゴ13に周電峰という香港のシンジケート支部長の暗殺を依頼します。最近の連続殺人事件の背後にあるのは、この周であり、ブラウンは彼を始末するために殺し屋を送り込んでいますが、周は暗殺集団に返り討ちに遭います。

ゴルゴ13は香港に潜入し、周が出席するプールの完成式典を狙います。彼は高層ビルの屋上からアーマライトM16を改造した狙撃銃で周を狙いますが、予想外の展開が待ち受けています。直前に周は別の誰かによって射殺されてしまいます。ゴルゴ13は、周の暗殺の背後にいる真の黒幕を探り続け、香港麻薬シンジケートの実態を暴こうとします。

しかし、香港警察はゴルゴ13を周の殺人犯として逮捕しようとします。エリート警察官たちが立ち向かい、新たな暗殺集団がゴルゴ13の行く手を阻む展開が待っています。彼は次々と襲いかかる敵を退けながら、真のターゲットである黒幕へと近づいていきます。

キャスト

本作において、千葉真一はゴルゴ13を演じ、視覚的にも感覚的にも強いキャラクターを表現しました。他にも、麻薬撲滅に捧げる情熱を抱くスミニー役の嘉倫、潜入捜査官の林玲役志穂美悦子、そして周の妹を演じた新藤恵美など、日本と香港の俳優が共演し、国際的な雰囲気を醸し出しています。

製作と興行

この映画は、1977年6月まで香港でのロケーション撮影が行われ、当時のSonny Chibaブームを助長しました。特に九龍城では映画撮影のためにキャメラが初めて持ち込まれた点が特筆されます。日本では1977年9月15日に公開され、香港では同年5月に封切られました。多くのキャラクターが日本の声優によって吹き替えられ、これもまた映画の魅力の一部となっています。映画はそのストーリーとアクションが評価され、今なお多くのファンに愛されています。

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