ゴレ島占領

ゴレ島占領：七年戦争におけるイギリスの勝利

1758年12月、七年戦争の最中に、イギリス遠征軍によるゴレ島占領という重要な出来事がありました。この作戦は、オーガスタス・ケッペル提督の指揮の下、セネガル沖に位置するフランス領ゴレ島に対して実行されました。

戦闘の経緯

ケッペル提督は、まず艦隊による砲撃を開始し、島の防御を弱体化させました。その後、イギリス海軍の兵士たちが上陸し、島を制圧。フランス軍の指揮官であったブレーズ・エストパン・ド・サン＝ジャンは降伏を決断し、駐留していた300人の兵士と多くのアフリカ人が捕虜となりました。また、この戦闘でイギリス軍は110門の大砲と臼砲を鹵獲するという大きな戦果を上げました。

ゴレ島の戦略的重要性とその後

ゴレ島は、当時奴隷貿易の拠点として重要な役割を果たしていました。イギリスによる占領は、フランスの貿易活動に大きな打撃を与えただけでなく、西アフリカにおける勢力図を塗り替える出来事となりました。イギリスは1763年までゴレ島を占領し続けましたが、その後のパリ条約によってフランスに返還されました。しかし、この占領はイギリスが七年戦争において得た数多くの勝利の一つとして、歴史に深く刻まれています。

七年戦争におけるゴレ島占領の位置づけ

七年戦争は、ヨーロッパだけでなく、北米やアジア、そしてアフリカといった世界各地で繰り広げられた大規模な戦争でした。ゴレ島占領は、この広範な戦いの一環として行われ、イギリスが世界的な覇権を確立していく上で重要な役割を果たしました。この勝利は、ウィリアム・ピット（後のチャタム伯）の指導の下、イギリスが戦略的な優位性を確立し、最終的にフランスを打ち破る原動力となりました。

参考文献

Anderson, Fred. Crucible of War: The Seven Years' War and the fate of Empire in British North America, 1754-1766. Faber and Faber, 2000.
Brown, Peter Douglas. William Pitt, Earl of Chatham: The Great Commoner. George Allen & Unwin, 1978.
Dull, Jonathan R. The French Navy and the Seven Years' War. University of Nebraska, 2005.
McLynn, Frank. 1759: The Year Britain Became Master of the World. Pimlico, 2005.
Simms, Brendan. Three Victories and a Defeat: The Rise and Fall of the First British Empire*. Penguin Books (2008)

もう一度検索