ゴンチェク

ゴンチェク（生年不詳 - 1308年）は、チャガタイ・ハン国の第12代君主であり、1307年から1308年までハンを務めました。漢語の史料では「寛徹」と記されています。

父は第11代君主のドゥアであり、1307年に父が亡くなった後、ハン位を継承しました。しかし、彼の治世は長くはありませんでした。その短い期間中に、オゴデイ家の王族キュレスベによる反乱が発生します。この反乱は、チャガタイ家の傍流であるブリ家の諸王、ヤサウルとジンクシによって鎮圧されました。

1308年にゴンチェクは亡くなりますが、彼が亡くなった時、ドゥアの息子たちの中に明確な後継者候補と呼べる人物がいませんでした。そのため、チャガタイ家の長老格であったブリ家のナリクがハン位を継承することになりました。

ゴンチェクの治世は短期間であり、大きな功績を残したとは言えませんが、チャガタイ・ハン国の歴史における重要な時期にハン位にあった人物として記録されています。

参考文献：
C.M.ドーソン『モンゴル帝国史』6巻、230頁（佐口透訳注、東洋文庫、平凡社、1979年11月）
加藤和秀『ティームール朝成立史の研究』（北海道大学図書刊行会、1999年2月）

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