ゴースト・イン・ザ・シェル (映画)

映画『ゴースト・イン・ザ・シェル』の概要

『ゴースト・イン・ザ・シェル』（Ghost in the Shell）は、2017年に公開されたアメリカのSF映画で、士郎正宗の漫画『攻殻機動隊』を原作としています。監督はルパート・サンダースが務め、脚本にはジェイミー・モス、ウィリアム・ウィーラー、アーレン・クルーガーが参加しています。主なキャストには、スカーレット・ヨハンソンが演じるミラ・キリアン少佐が含まれています。この映画は、2017年3月31日にアメリカで、4月7日に日本で公開されました。

ストーリー

舞台は近未来の世界で、脳から直接ネットにアクセスできる電脳技術が発展し、多くの人々が自らの身体の一部をサイボーグ化することを受け入れています。ハンカ・ロボティックス社は、女性の脳を機械的な全身義体に移植し、超人的な軍事工作員を生み出すことに成功しました。主人公である実験体の女性、ミラ・キリアン少佐は、公的機関である公安9課に配属され、サイバー犯罪を追うエリート捜査官としての任務に従事します。しかし、彼女の記憶は曖昧で、両親と死別し、極秘に義体化された過去しか思い出せません。

公安9課は、海外の要人を狙った襲撃事件に直面します。少佐と同僚たちは迅速に現場を制圧しますが、襲撃の背後には謎の首領クゼが控えています。彼はハンカ社の重役の記憶をハッキングし、次々と科学者たちを狙います。少佐は、おとりとして使われた芸者ロボットの記録にアクセスし、クゼの正体を探り始めます。彼女はバトーと共にクゼの拠点へ向かいますが、待ち受けていた罠によって重傷を負います。

少佐を治療するオウレイ博士は、彼女の精神状態への影響を心配します。少佐は、奇怪な幻覚を見たり、過去の記憶に苦しんだりする一方、クゼの狙いがハンカ社の極秘プロジェクト「2571」に関連していることを知ります。次のターゲットがオウレイ博士であることを把握した少佐は、彼を救出するために奔走しますが、クゼに捕まってしまいます。

キャストと製作

スカーレット・ヨハンソンは、少佐役として非常に評価されています。彼女は、元々『攻殻機動隊』については知らなかったものの、映画を観ることで作品に強い魅力を感じたと語っています。また、俳優の北野武が演じる荒巻大輔役にも敬意を表し、日本語のカンペを用意してもいたとのことです。

この映画は、2008年にドリームワークスが映画化権を取得し、長い準備期間を経て製作が進められました。公開の権利は当初ウォルト・ディズニーが持っていましたが、後にパラマウント映画に変更され、2017年の公開となりました。

受賞と興行成績

『ゴースト・イン・ザ・シェル』は、第12回ハリウッド・プロフェッショナル・アソシエーション（HPA）アワードで最優秀カラーグレーディング賞を受賞しました。興行収入は、アメリカ国内で4千万ドル、国外で1億3千万ドルを超え、映画シリーズとしても最大の興行収入を記録しました。

論争

公開を前にして、アジア人キャラクターを白人女性が演じることへの批判が起こり、ホワイトウォッシングの問題が議論されました。しかし、映画製作に関わった一部の関係者は、キャスティングに対する批判を否定し、作品の多様性を強調しました。

この映画は、視覚的な美しさと物語の深みで、多くのファンを魅了し、今なお話題となっています。さまざまな論争や評価を経て、映画はSFジャンルの名作として位置づけられています。

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