ゴールデンゴール

ゴールデンゴール

ゴールデンゴールとは、主にサッカー、フィールドホッケー、ラクロスで採用される延長戦のスタイルの一つです。試合が延長戦に突入したとき、いずれかのチームが最初に得点すると、その時点で試合が終了し、その得点を挙げたチームが勝者となります。この方式は「サドンデス方式」とも呼ばれています。

歴史的背景

ゴールデンゴールというルールの起源は1868年にさかのぼります。当時のクロムウェルカップ決勝で初めてこのルールが使われたという記録がありますが、当時はゴールデンゴールという名称はついていませんでした。その後、日本プロサッカーリーグ（Jリーグ）が初めてリーグ戦でこのルールを導入しました。目的は試合をよりエキサイティングにし、観客を楽しませることでした。

日本での普及

1991年のコニカカップや1992年のJリーグカップにて、このルールは試験的に採用されました。日本では当時「サッカーは点が入りにくい」や「引き分けが多くて面白くない」という意見が多かったため、試合の勝敗をはっきりさせるような方法が求められていました。90分の試合で決着がつかない場合には延長戦を実施し、それでも同点ならPK戦に持ち込むことにより、最終的に勝者を明らかにしました。

当初は「延長サドンデス」として知られていましたが、言葉の持つネガティブなイメージから1994年に「延長Vゴール」という名称に変更されました。この年、浦和レッズの福田選手が試合終了間際にVゴールを決めた試合が「史上最も悲しいVゴール」として記憶されています。これはチームの降格が決まっていたため、勝利の喜びを味わうことはできなかったというエピソードです。

国際的な採用

1995年には国際サッカー連盟（FIFA）がこのルールを競技規定に加えることを決定し、ゴールデンゴールとして知られるようになりました。1996年の欧州選手権で初めて国際舞台でも使われ、ドイツのオリバー・ビアホフが延長で得点を決め、ドイツが優勝しました。また、日本代表でも1998年のワールドカップ最終予選において岡野選手がゴールデンゴールを決め、日本の初出場に繋がりました。

ルールの変遷

ゴールデンゴールは、EURO 2000などいくつかの国際大会で採用されましたが、欧州ではこの方法に対して不公平感が生じ、一部大会では「シルバーゴール」と呼ばれる延長戦の新たな方式が利用されました。シルバーゴールは、得点の有無にかかわらず延長前半を必ず至けて行い、前半終了時点でリードしている場合はその時点で試合終了にするルールです。

しかし、最終的にゴールデンゴールとシルバーゴールは、2004年に旧来の延長戦方式に戻ることが決定されました。これにより、直接的な勝敗を決する劇的な要素は轍となっていきました。日本でも2001年からは引き分け制が採用され、Jリーグにおいてもゴールデンゴールの採用は徐々に廃止されていきました。

その他のスポーツ

ホッケーなどもゴールデンゴールの考え方を取り入れていますが、アイスホッケーや柔道、ラグビーなどの他の競技でも類似の方式が存在します。特に、ライバルチームによる激しい競争が求められる競技において、勝敗を速やかに決める手段としてゴールデンゴールのような方式が注目されています。

このように、ゴールデンゴールはスポーツにおける勝敗の決定方法として一時期盛況を迎えましたが、現在ではその存在が薄れつつあります。今後のスポーツ規則の進化に伴い、また新たなルールが誕生する可能性もあります。

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