サアデディン・オスマニ

サアデディン・オスマニ（アラビア語: سعد الدين العثماني, Saadeddine Othmani、1956年1月16日 - ）は、モロッコの政治家であり、かつて外務大臣、そして首相を務めました。彼の政治家としての経歴、学術的な背景について解説します。

生い立ちと学歴

オスマニは、アガディール郊外のスース＝マサ地方イネズガネで生まれました。高等教育機関としては、カサブランカのハッサン2世大学に進学し、1986年に薬学の修士号を取得。その後も研究を続け、1994年には精神医学の学位を取得しました。さらに、イスラーム研究においても修士号を取得しており、幅広い知識と学識を持っています。

政治家としてのキャリア

オスマニは、政治家として活動する傍ら、複数の雑誌や出版物で編集長を務めました。また、精神医学やイスラーム法に関する多数の書籍を著しており、執筆活動にも力を入れていました。2004年には、公正発展党の党首であったアブデルクリーム・ハーティブが政界引退を表明したことを受け、その後任として党首に選出されました。また、地元であるイネズガネから国会議員にも選出され、国政に携わるようになりました。

2012年1月から2013年10月にかけては、公正発展党が主導する内閣で外務大臣を務め、モロッコの外交政策を担いました。外務大臣退任後は、公正発展党の国会議員団長として、党の活動を支えました。

2017年3月17日、ムハンマド6世国王から首相に任命され、組閣の重責を担うことになりました。オスマニは、公正発展党を含む6つの政党による連立内閣を発足させ、同年4月5日に新内閣が正式に発足しました。首相在任中、外交政策においては親フランスの立場を取っていたとされています。

首相退任

2021年9月8日に実施された総選挙において、公正発展党は大きく議席を減らし、惨敗を喫しました。この結果を受け、オスマニは首相を退任する意向を表明しました。総選挙で第1党となった国家独立連合のアジズ・アハヌッシュが新たな首相となり、2021年10月7日に新政権が発足し、オスマニは首相の座を退きました。

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