サイラス・ジュイ

ケニアから日本へ羽ばたいた実力ランナー、サイラス・ジュイ

サイラス・ジュイ選手は、1986年2月11日ケニア生まれの陸上競技選手です。現在は日本を拠点に活躍しており、持ち前の才能と努力で日本のマラソン界に大きな足跡を残しています。171cm、52kgと恵まれた体格を活かし、数々の大会で輝かしい成績を残しています。

高校時代から頭角を現す

流通経済大学付属柏高等学校時代には、卓越した才能で同期のジョセファト・ダビリ選手と共に高校陸上界を席巻しました。インターハイ3000m障害では2連覇を達成するなど、将来を嘱望される存在として注目を集めました。

大学、実業団を経てマラソンランナーとして開花

高校卒業後は、流通経済大学に進学。卒業後には日産自動車、日立電線マラソン部、日立物流グループ陸上部と、名門実業団チームに所属し、経験を積みました。2006年には札幌国際ハーフマラソンで初優勝を飾り、その後も数々の大会で好成績を収めます。特に、札幌国際ハーフマラソンでは3度の優勝を達成。これはイカンガー、マヤカ、モグスに続く快挙となりました。2010年には北海道マラソンでも初マラソン初優勝という快挙を成し遂げています。同大会で優勝した女子選手のフロレンス・キプラガト選手とはケニア出身の同郷でもあります。

ドーピング問題と復活

2015年、北海道マラソンで2位に入ったものの、検査で興奮剤のメチルエフェドリンが検出され、記録抹消と8か月の資格停止処分を受けました。本人は服用した風邪薬に含まれていたと主張しており、この事件は、彼のキャリアに大きな影を落とすこととなりました。しかし、ジュイ選手はこの逆境を乗り越え、翌2016年の北海道マラソンでは2位に入賞。同年、ちばアクアラインマラソン（ハーフマラソン）では、川内優輝選手との激しいデッドヒートの末、優勝を果たし、復活を印象付けました。

ドラマ『陸王』出演

2017年には、TBS系日曜劇場『陸王』に出演。劇中では、架空のレース「第62回豊橋国際マラソン選手権大会」で、竹内涼真さん演じる主人公らと激闘を繰り広げ、見事優勝を果たしました。最終回にも出演し、ケニア人ランナーとしてレースをリードするも、40km地点付近で故障により棄権。主人公の優勝を間近で目撃することとなりました。

輝かしい戦績と今後の展望

インターハイでの2連覇、札幌国際ハーフマラソンの3度目の優勝、北海道マラソンの初優勝など、数々の輝かしい戦績を残しています。ハーフマラソンでは1時間1分3秒という好記録も保持しています。ドーピング問題という苦い経験を経て、更なる高みを目指し、現在も日本のマラソン界で活躍を続けています。彼の今後の活躍に期待がかかります。

主な戦績

2002年：全国高等学校総合体育大会 3000mSC 優勝 (8分57秒41)
2003年：全国高等学校総合体育大会 3000mSC 優勝 (8分55秒69)
2006年：札幌国際ハーフマラソン 優勝 (1時間1分16秒)
2006年：国際千葉駅伝 優勝 (6区区間賞)
2010年：札幌国際ハーフマラソン 優勝 (1時間1分20秒)
2010年：北海道マラソン 優勝 (2時間11分24秒)
2011年：東京マラソン 5位 (2時間9分10秒)
2011年：札幌国際ハーフマラソン 優勝 (1時間1分47秒)
2014年：東京マラソン 14位 (2時間9分35秒)
2016年：北海道マラソン 2位 (2時間14分38秒)
2016年：ちばアクアラインマラソン（ハーフマラソン）優勝 (1時間6分24秒)

記録

5000m：13分22秒76
10000m：27分56秒63
ハーフマラソン：1時間01分03秒
* マラソン：2時間9分10秒

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