サガ・オブ・ザ・シャドー・ロード

『サガ・オブ・ザ・シャドー・ロード』は、1986年にベーシックD&D向けに発表された冒険モジュールで、2つの連携したアドベンチャーからなる小規模キャンペーンとして構成されています。

エルヴンスター

最初のアドベンチャー「エルヴンスター」では、プレイヤーキャラクター（PC）たちは、平和な隣国への侵略を目論むシャドーロードの陰謀を阻止するため、魔法のアイテム奪還に挑みます。冒険者たちが住む村や、小さな城に住むクラウドジャイアントとの遭遇を経て、PCたちはシャドーロードの本拠地へと向かい、最終決戦に臨みます。

ドラックス・タレンのホール

続く「ドラックス・タレンのホール」では、シャドーロードは更に力を増して復活します。彼の手下であるアンデッドたちは、シャドーロードに絶大な力を与える魔法のアイテムを求めて暗躍します。PCたちは彼らより早くそのアイテムを見つけなければなりません。このアドベンチャーには、4つの新たな魔法のアイテムと3種類の新モンスターの詳細も収録されています。

PCたちは、シャドーロードのアンデッド軍団を突破し、彼の呪われた要塞に侵入し、魔法のアイテム「エルヴンスター」を取り戻すという使命を負っています。

出版の経緯

X11『サガ・オブ・ザ・シャドー・ロード』は、1986年に64ページの中綴じ冊子として発売されました。スティーブン・ボーンが執筆し、キース・パーキンソンが表紙イラストを担当、本文イラストはマーク・ネルスンが手掛けました。このシナリオは、『ダンジョンズ&ドラゴンズ』エキスパート・セット向けに制作され、レベル5～9のPCに対応しています。

モジュールは64ページの中綴じ冊子で、三つ折りの表紙カバーに挟まれています。表紙カバーの内側には地図やモンスター、NPCのデータが掲載されており、冊子の中央8ページには追加の地図と8人の作成済みPCの情報が収録されています。

評価

『ホワイトドワーフ』誌89号で、ゲームデザイナーのグレイム・デイビスが『サガ・オブ・ザ・シャドー・ロード』をレビューしています。「エルヴンスター」について、彼は昔ながらの構成で、問題が深刻化するダンジョンへの道中には、固定された、しかし無作為に発生する遭遇が存在すると評しました。彼は「村は（レベル7にも達する！）冒険者でいっぱいだった」ことや、「広場恐怖症」のクラウドジャイアントが「今まで見たこともないような小さな城」に住んでいることに言及しています。シャドーロード軍との遭遇は興味深かったものの、シャドーロードの本拠地に着くまでの単調なダンジョン探索の苦労を軽減するほどではなかったと感じています。最終決戦については、悪役の戦術や、ダンジョンマスター向けの、PCの成否や探索の目的から外れた場合の対処法など、良い点もいくつか挙げています。

デイビスは「ドラックス・タレンのホール」が冗長で、遭遇も「最初のものほど刺激的ではない」と指摘し、新しい魔法のアイテムやモンスターについても「驚くほど独創的で刺激的なものは何もない」と述べています。彼は、このモジュール全体がゲームの初期の伝統に固執しており、「ここ数年、ホビーの世界では何の発展もなかったような印象を受けた」と感じ、全体的に失望したと結論付けています。しかし、彼は「意図されたことは完璧に実行されており、プロットや根拠よりも戦闘重視のアドベンチャーを好むなら、『サガ・オブ・ザ・シャドー・ロード』は一見の価値がある」と認めています。

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