サザエさんの婚約旅行

映画『サザエさんの婚約旅行』について

『サザエさんの婚約旅行』は、1958年8月26日に公開された日本映画で、製作は宝塚映画製作所、配給は東宝によって行われました。この作品は、カラーおよび東宝スコープで制作され、104分の上映時間が特徴的です。映画のキャッチコピーは「婚約者と嬉しい旅も失敗続きで花嫁修業のやり直し」となっています。

概要

この映画は、人気漫画『サザエさん』を実写化したシリーズの第4作目であり、シリーズにおいて初めてのシネマスコープ作品でもあります。また、宝塚映画製作所による制作が行われた初めての作品でもあり、続く第7作『サザエさんの脱線奥様』から再び宝塚映画製作所が製作を担当します。この映画で松島トモ子が演じたワカメ役は、彼女にとってこの作品が最後の出演となりました。さらに、第1作に登場した花菱アチャコが別の役で再登場するという点も見逃せません。

ストーリー

物語は、磯野サザエの婚約者であるフグ田マスオが九州から上京する予定が流れてしまったことで、サザエが落ち込むシーンから展開します。しかし、そんな中、サザエの祖母からのお知らせが届き、祖父の三十三回忌に参加するために若松へ向かうことになります。サザエと弟のカツオが父親に代わってその任を果たすことに。

法要では、サザエが酒を飲み過ぎて踊り出してしまい、伯父たちから叱責を受ける事態が発生します。そんな彼女の前に、休暇を取ったマスオが現れます。サザエは彼と共に九州の名所を巡り、美しい風景を楽しむことになりますが、マスオが下宿先の娘・悦子と楽しそうにしているのを見て、嫉妬心を抱いてしまいます。

東京に戻る際、マスオは「近々大阪に転勤になる」とサザエに伝えます。彼女はカツオとともに帰路につく中、大阪に着くとそのまま途中下車し、叔母の旅館で働くことを決意します。その後、マスオは本当に大阪に転職してきて、サザエと再会します。

映画の後半では、サザエとマスオが叔母と共に宝塚大劇場に出かけ、そこでサザエが見てしまった悦子が舞台で演じるシーンが描かれます。マスオが彼女に盛大な拍手を送る中、サザエはついに感情を爆発させて劇場を飛び出してしまいます。驚くマスオは彼女を追いかけ、「僕が好きなのはサザエさんだけだよ」と言いながら婚約指輪を彼女の指にはめます。この感動的なシーンは、観客に強い印象を残しました。

スタッフ

• - 監督：青柳信雄
• - 製作：杉原貞雄
• - 原作：長谷川町子
• - 脚本：笠原良三
• - 音楽：神津善行
• - 撮影：西垣六郎
• - 照明：下村一夫
• - 美術監督：北猛夫

キャスト

• - 磯野 サザエ：江利チエミ
• - フグ田君：小泉博
• - その父親（波平）：藤原釜足
• - その母親（舟）：清川虹子
• - 磯野 カツオ：白田肇
• - 磯野 ワカメ：松島トモ子
• - 悦子（フグ田君の下宿先の娘）：安西郷子
• - サザエの叔父：花菱アチャコ

外部リンク

• - サザエさんの婚約旅行 - allcinema
• - サザエさんの婚約旅行 - KINENOTE
• - サザエさんの婚約旅行 - 文化庁日本映画情報システム

この映画は、サザエたちの人間関係や感情の機微を描きながら、観る者に笑いと感動を届ける作品となっています。リアルで親しみやすいキャラクターたちと共に、楽しい旅の様子を堪能することができます。

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