サザビーズ

サザビーズ：世界を舞台に活躍するオークションハウス

1744年、ロンドンで創業したサザビーズは、世界最古にして最大級の国際競売会社として知られています。当初は書籍の売買からスタートした同社は、その後、絵画、彫刻、宝石など、幅広い美術品を取り扱うまでに成長しました。インターネットオークションを世界で初めて導入するなど、常に時代の最先端を走り続ける革新性も持ち合わせています。現在、ニューヨークに本社を置くサザビーズは、ロンドンや香港など世界各地にオフィスを構え、グローバルなネットワークを展開しています。

サザビーズの歩み：創業から現代まで

サミュエル・ベイカーによって設立されたサザビーズは、当初、貴族階級向けの書籍販売を主に行っていました。その後、甥のジョン・サザビーが経営を引き継ぎ、事業を拡大。1983年にはアメリカの富豪A・アルフレッド・トーブマンによって買収され、1998年には株式公開を果たしました。

競合他社であるクリスティーズとの激しい競争を繰り広げながら、企業買収や賢明な経営戦略によって成長を続け、アメリカではパーク・バーネット社を買収するなど、業界における支配的な地位を確立しました。近年では、年間売上高は20億ドルを超える規模にまで拡大しています。

伝説の高額落札作品の数々

サザビーズでは、数々の高額な美術品が競売にかけられてきました。2006年にはピカソの「ドラ・マールと猫」が9,500万ドルで落札され、当時世界で2番目に高額な美術品となりました。また、2004年にはピカソの「パイプを持つ少年」が1億400万ドルで落札されるなど、高額落札の記録を何度も更新し続けています。

さらに、2012年にはムンクの「叫び」が約1億1,992万ドルで落札され、当時、芸術作品史上最高額を記録しました。2018年にはモディリアーニの裸婦像が1億5,720万ドルで落札され、新たな最高額を更新。宝石においても、2015年には「ジョセフィンのブルームーン」というダイヤモンドが、競売史上最高額となる4,863万4千スイスフランで落札されています。これらの落札額は、美術品市場におけるサザビーズの圧倒的な影響力を示すものです。

スキャンダルと法廷闘争

サザビーズの歴史においては、影の部分も存在します。2000年には、当時のCEOであったA・アルフレッド・トーブマンとダイアナ・ブルックスが、クリスティーズ社との共謀による手数料操作で告訴されました。裁判の結果、トーブマンは禁固刑、ブルックスは罰金刑を言い渡されることとなりました。この事件は、美術品市場の透明性に関する議論を巻き起こすこととなりました。

大衆文化におけるサザビーズ

サザビーズは、映画やテレビ番組、漫画などにも登場し、大衆文化に影響を与えています。映画『007 オクトパシー』では、ジェームズ・ボンドがサザビーズのオークションに参加するシーンが登場します。また、日本の漫画『HUNTER×HUNTER』には、サザビーズをモデルにしたと考えられる「サザンピース」というオークションハウスが登場するなど、そのブランド力は世界中に浸透しています。

サザビーズの現在と未来

サザビーズは、創業以来300年近くにわたり、美術品市場をリードし続けてきました。今後も、新たなテクノロジーを活用しながら、世界中のコレクターや芸術愛好家と繋がることで、美術品の売買を促進し、芸術文化の発展に貢献していくことが期待されます。その動向は、今後も世界中から注目を集め続けるでしょう。

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