サジド・ジャヴィド

サジド・ジャヴィド：イギリス政界の重鎮

サジド・ジャヴィド（Sajid Javid, 1969年12月5日 - ）は、イギリスの保守党に所属する政治家です。2010年から2024年まで庶民院議員を務め、その間に内務大臣、財務大臣、保健・社会介護大臣といった要職を歴任しました。特に、内務大臣と財務大臣という四大閣僚のうち二つをアジア系イギリス人として初めて務めたことは、多様性を重視する現代イギリス社会において大きな意義を持ちます。

生い立ちと経歴

ジャヴィドは、1969年12月5日にランカシャーのロッチデールで、パキスタンからの移民の子として誕生しました。エクセター大学で経済学と政治学を修めた後、金融業界へと進み、25歳という若さでチェース・マンハッタン銀行の副社長に就任。その後、ドイツ銀行に移籍し、2009年に退職するまで金融のプロフェッショナルとして活躍しました。

政界での活躍

2010年、ジャヴィドはブロムスグローヴ選挙区から保守党の庶民院議員として選出され、政界入りを果たします。以降、保守党政権下で着実にキャリアを積み重ね、財務省経済担当官、文化・メディア・スポーツ大臣、ビジネス・イノベーション・技能大臣、住宅・コミュニティ・地方自治大臣といった役職を歴任。2018年には内務大臣に、2019年には財務大臣に任命され、その手腕を発揮しました。

しかし、2020年、当時の首相であったボリス・ジョンソンとの間で補佐官の人事を巡る意見の相違が生じ、財務大臣を更迭されることになります。その後、2021年6月にはマット・ハンコック保健・社会介護大臣の辞任を受け、後任として再び入閣。ところが、2022年7月には、相次ぐ不祥事に対する抗議として、リシ・スナク財務大臣と共に辞任し、ジョンソン政権の崩壊の引き金となりました。その後の保守党党首選挙に立候補するも、推薦人を集められず辞退。2024年の総選挙には出馬せず、政界を引退しました。

サジド・ジャヴィドは、金融業界での成功を経て政界に転身し、多様なバックグラウンドを持つ人々が活躍できる社会の実現に貢献しました。彼のキャリアは、イギリス社会における多様性の進展を象徴するものであり、今後の政界においてもその影響力は大きいと考えられます。

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