サスペリアPART2

『サスペリアPART2』の概要と見どころ

『サスペリアPART2』（原題：Profondo Rosso、英題：Deep Red）は、1975年に公開されたイタリアのミステリー映画で、ダリオ・アルジェント監督が手掛けた作品です。この作品は、日本では『サスペリア』の続編として知られていますが、実際には『サスペリア』よりも前に制作されており、公開も1978年と後に行われました。

公開時の邦題の付け方には興行的な背景があり、ヒットした『サスペリア』の成功を受けて、その名称を借りた形です。後にリリースされたDVD版では、『サスペリアPART2/紅い深淵』という追加タイトルがついています。

ストーリーの展開

物語はクリスマスの夜に始まります。レコードから流れる子供の歌をバックに、ある殺人事件が発生します。数十年後、欧州超心霊学会で行われた講演中に、テレパシー能力を持つヘルガ・ウルマンが聴衆の一人の秘密を暴露する場面が描かれます。しかし、彼女は突然苦しみだし、「聴衆の中にかつて人を殺した者がいる」と警告を発します。彼女の悲鳴と同時に、ヘルガは謎の凶器に襲われて命を落とします。

この場面を目撃したアメリカ人のピアニスト、マークはヘルガの部屋に駆けつけますが、その先には彼女の死体が待ち受けています。現場には逃げ去る黒いコートの人物の姿があり、さらに友人のカルロもその周囲にいます。事件の調査が進む中、マークは犯人を見逃した不安から真相を追い求めることを決意します。

マークは先行きを探るため、ヘルガの家の廊下に並んでいた絵の一枚が失われていることに気づきます。そこで現れたのは、女性記者のジャンナ。彼女も事件の謎を解明しようとする中で、さまざまな危険に直面します。次第に、事件の真相に迫るマークとジャンナは、知識を駆使して脅威に立ち向かうことになります。

映画の特徴

本作における視覚トリックは特に評価が高く、「映画秘宝EX最強ミステリ映画決定戦」ではオールタイム・ベスト10の第1位に選出されました。このトリックは、観客が重要な情報を見逃すという心理的な側面を巧みに利用しており、アルジェント監督の手腕が光ります。また、本作の音楽はゴブリンが手掛け、アルジェント作品の特徴的なサウンドとなります。

日本公開版では、一部のシーンがカットされていましたが、のちに完全版が公開されたことでその全貌が明らかになりました。特に、音楽やキャラクター間の人間関係描写が充実している点がファンに支持されています。

重要なテーマとして全編にわたって展開される“見えないものを見る”というアイデアは、観客に思考を促し、単なるホラー映画にとどまらない深みを与えています。これにより、『サスペリアPART2』はジェネリックなサスペンス映画とは一線を画す独特の存在感を放っています。

まとめ

『サスペリアPART2』は、その独自の視覚効果や心理的トリック、魅力的なストーリー展開により、視聴者を惹きつける作品となっています。日本における公開の経緯や、歴史的背景も知ることで、さらに興味深い視点から本作を楽しむことができるでしょう。

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