サソリ (民兵組織)

サソリ（Škorpioni）は、1990年代に発生したクロアチア紛争、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争、コソボ紛争といった一連の紛争に関与したセルビア人によって構成された民兵組織です。この組織は、1991年にクロアチアからの分離独立を宣言した「クライナ・セルビア人共和国」において結成されました。サソリの指導者はスロボダン・メディッチ（Slobodan Medić）でした。

サソリは、セルビア人勢力の一翼を担い、紛争地域において様々な軍事作戦や活動を展開しました。しかし、2005年に公開されたビデオによって、サソリの構成員がスレブレニツァ虐殺に関与していた事実が明らかになり、国際社会に大きな衝撃を与えました。このビデオには、サソリの元構成員が虐殺を実行する様子が記録されており、事件の真相を解明する上で重要な証拠となりました。

ビデオ公開後、セルビア当局は速やかに捜査を開始し、ビデオに映っていたサソリの元構成員らを逮捕しました。そして、2007年には、彼らに対して有罪判決が言い渡されました。この裁判は、紛争犯罪の責任追及における重要な一歩と評価されています。

サソリによるスレブレニツァ虐殺への関与は、紛争の悲惨さを象徴する出来事の一つとして、深く記憶されています。紛争終結後も、国際社会は紛争犯罪の責任追及と、犠牲者のための正義の実現に向けて取り組んでいます。

関連情報として、大塚真彦氏による以下の記事も参考になります。

サソリと二千の墓〔前編〕
サソリと二千の墓〔後編〕
* スレブレニッツァ95年夏

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