サッカーけるける団

『サッカーけるける団』は、島田英次郎先生による日本のギャグ漫画作品です。

概要

『伊達グルーヴ』に続く、島田先生が週刊少年マガジンで執筆した作品です。2002年の日韓ワールドカップ開催時に連載されましたが、サッカーブームとは無縁の、高校のサッカー部を舞台にしたギャグ漫画です。第1話は巻頭カラーで掲載され、第2話も同時掲載という力の入れようでしたが、全12話で終了しました。また、第9話と第10話の間には休載期間がありました。

単行本は全1巻で、全話収録されています。表紙にはなぜか「①」という表記があります。単行本は2008年現在絶版ですが、作者の別作品『お憑かれさん』の単行本のカバー袖に「KC島田英次郎作品」としてクレジットされています（ただし「絶版」とも記載）。これは一種の自虐的な表現のようです。

あらすじ

サッカーを愛する少年・藤田圭一は、サッカーの名門である青雲学園に入学します。しかし、そこで彼が目にしたのは、一人の男によって見る影もないおふざけ集団と化したサッカー部の姿でした。

マネージャーの本宮はるかと共に、部を立て直そうと奮闘する藤田ですが、個性的な部員たちに翻弄される日々を送ります。

登場人物

青雲学園サッカー部

かつては県大会ベスト4の実績を誇る名門サッカー部でしたが、門取平蔵という部員の登場により、まともな部員が皆退部。さらに、部室でボヤ騒ぎを起こしたことで、半壊状態のベンツを部室代わりにするという没落ぶりです。門取の気まぐれで運営されており、練習、試合、部員勧誘など、まともな活動は一切行っていません。顧問の先生については、作中では触れられていません。

藤田圭一（ふじたけいいち）

主人公。南中学校出身で、フォワードを務めていました。青雲学園で背番号10番を背負うことを夢見て入部しますが、門取に翻弄される日々を送ります。インターハイ常連校のキャプテンからも評価されるほどの潜在能力を秘めています。

真面目な性格ですが、プレッシャーに弱く、公式大会ではPKを一度も決めたことがありません。ウサギの守護霊（2羽）が憑いており、藤田にツッコミを入れる場面も。

初恋の相手は、本宮祈です。母親は草彅剛さんのファンという設定です。

本宮はるか（もとみやはるか）

16歳。藤田の中学時代の先輩で、サッカー部のマネージャーを務めています。クラスは2年1組。サッカーが好きで、中学時代からマネージャーを続けています。

門取によって部が没落してからも退部せず、セクハラに耐えながらも部を立て直そうと努力しています。勝気で手が出やすい性格ですが、面倒見が良い一面も持ち合わせています。ただし、周りに乗せられやすく、正気を失うこともしばしばあります。

門取に苦しめられる悪夢をよく見ますが、彼のことを嫌っているわけではないようです。練習試合では、メンバー不足を補うために男装することもありました。

本宮祈（もとみやいのり）

1年生。はるかの妹ですが、藤田とは面識がありませんでした。「なんか楽しそうだから」という理由でサッカー部に入部し、2人目のマネージャーとなります。

明るく素直な性格ですが、騙されやすい一面もあります。嘘をつく人を嫌います。羞恥心が欠如しており、露出度の高い服も平気で着ています。また、男性の裸を見ても特に反応しません。料理は肉じゃがを作ることができます。姉妹揃って、校内に隠れファンが多いという設定です。

門取平蔵（もんどりへいぞう）

サッカー部のキャプテン。ポジションはゴールキーパーで、背番号は1番。はるかのクラスメートでもあります。体重は80kg。常に将棋の駒の模様が入ったアロハシャツを着用しています。悪条件になるほど燃える性格の持ち主です。

自分より強い者としか戦わないと豪語し、他の部員に下剤を盛るなどの悪行を重ねて退部させ、部を没落させた張本人です。普段は練習を全くしませんが、実はサッカーの実力は部員の中でずば抜けて高く、その事実にショックを受けた部員たちが次々と退部していったというのが真相です。フリーキックには絶対の自信を持っています。また、ボクシングの才能も持ち合わせています。

円谷（つむらや）

没落後のサッカー部員の1人。背番号は8番。オフサイドの意味も知らない、サッカーの素人です。試合中にルールを忘れてハンドをしてしまうため、常に両腕に手錠を付けられています。部員の中で最も背が低いという設定です。

キャプテンの座を狙っており、門取と対立することが多いです。岩田兄弟の顔を「コピー商品」と馬鹿にしたり、すぐに激怒したりと、性格はあまり良くありません。

岩田兄弟（いわたきょうだい）

没落後のサッカー部員で、双子の兄弟。4歳の夏に神社の石段から転落し、人格が入れ替わったという過去を持ちます。背番号は、兄が5番、弟が7番。基本的には門取に従順で、円谷のように目立った行動はあまり起こしません。天龍高校との試合で、実は六つ子であることが判明します（門取曰く、同じ顔が6つも並ぶのが嫌なので、2人ずつしか出場させなかったとのこと）。背番号は2、4、6を付けた者が確認できます。名前は誰一人として明かされていません。

権藤（ごんどう）

3年2組に所属。背番号は11番で、髭を生やしています。前年のサッカー部のキャプテンでしたが、門取の実力に衝撃を受けて退部しました。門取にパンチパーマにされたこともあったようです。しかし、門取に完敗しても向上心を失わない藤田の姿を見て、自らを恥じ、サッカー部に復帰しました。性格は至って真面目です。

眉の太い男・パイ毛を植毛された男・頬のこけた男

権藤と同様に、藤田に励まされて部に復帰したメンバー。3人とも名前も背番号も不明です。頬のこけた男以外は、天龍高校との試合に出場しています。

ボール

門取たちがサッカーボールの代わりに飼っている小犬。練習時に本当に蹴っているのかどうかは不明です。

皮製のボール

門取がどこからか連れてきた牛。全部で6頭います。藤田の冗談を真に受けた門取たちによって、部員扱いとして飼われることになります。後に野生化しました。

* 人材派遣会社から来てくれたアルバイトのみなさん

練習試合の際に人数不足を補うため、門取が雇ってきた人々。リストラされた会社員、バンド系のフリーター、国籍不明の外国人、元印刷工、パート主婦の大西さんの5人です。待遇は交通費込みで日給6000円。1ゴール1000円、1アシスト700円の手当付きです。たった5人で、昨年の県大会準優勝校に圧勝するほどの戦力を持っています。会社員、外国人、大西さんは天龍高校との試合で再登場しました。

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