サッキング・イン・ザ・70s

ローリング・ストーンズのコンピレーションアルバム『サッキング・イン・ザ・70s』は、1981年にリリースされ、70年代の彼らの輝かしい活動を振り返る作品として高い評価を得ています。このアルバムの特徴は、単なる既発曲の寄せ集めではない点にあります。アルバム未収録のレアトラックや、ライブパフォーマンスの臨場感あふれる音源も収録することで、70年代のストーンズの多様な魅力を余すことなく伝えています。

収録されている楽曲は、70年代のストーンズを代表する名曲の数々です。例えば、鋭くエッジの効いたギターリフとミック・ジャガーの力強いボーカルが印象的な「Shattered」は、彼らのロックンロール精神を象徴する1曲と言えるでしょう。また、「Everything Is Turning to Gold」のような、よりメロウでブルージーな楽曲も収録されており、ストーンズの音楽的多様性を示しています。

さらに注目すべきは、「Shattered」のB面や「Hot Stuff」、「Time Waits for No One」、「Fool to Cry」、「Mannish Boy」、「When the Whip Comes Down」といった、アルバムには収録されていなかった楽曲の存在です。これらの楽曲は、シングルカットされたものや、ライブで人気を博した曲など、様々な経緯でアルバム収録が見送られてきたものですが、このコンピレーションアルバムによって、初めて多くのリスナーの耳に届くこととなりました。これら未発表音源の存在が、このアルバムに特別な価値を与えています。

そして、このアルバムには、1978年7月6日にデトロイトで行われたライブ音源も収録されています。このライブ音源は、「When the Whip Comes Down」のライブバージョンで、当時のストーンズのパフォーマンスの熱気をそのまま伝える貴重な記録となっています。観客の歓声や演奏の迫力など、スタジオ録音では味わえない臨場感が、リスナーを当時のライブ会場へと誘います。

その他にも、「If I Was a Dancer (Dance Pt. 2)」、「Crazy Mama」、「Beast of Burden」といった、ストーンズを代表するヒット曲が収録されています。これらの楽曲は、いずれも70年代のストーンズの代表作であり、彼らの音楽性の幅広さと高い演奏力を改めて認識させてくれます。

『サッキング・イン・ザ・70s』は、単なるベスト盤を超えた、70年代のローリング・ストーンズを深く理解するための、非常に価値のあるコンピレーションアルバムです。未発表音源やライブ音源の収録は、単に楽曲の数を増やすだけでなく、彼らの音楽的変遷や、ライブパフォーマンスにおけるエネルギー、そして70年代という時代背景を理解する上で重要な要素となっています。このアルバムを聴くことで、ストーンズの音楽の魅力をより深く理解し、70年代のロックシーンを体感することができるでしょう。アルバムを通して、彼らの音楽的多様性と、時代を超えて愛される普遍的な魅力を堪能できる、まさにファン必携の作品と言えるでしょう。

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