サッポロ一番塩らーめん

「サッポロ一番塩らーめん」は、サンヨー食品が製造・販売を手掛ける即席麺の代表的なブランドの一つです。袋麺タイプが広く知られていますが、カップ麺など多様な形態でも展開されています。

誕生と歴史

この製品は、1971年 9月1日に「サッポロ一番」シリーズの第三弾として市場に登場しました。先に発売されていた「サッポロ一番しょうゆ味」、「サッポロ一番みそラーメン」に続く形でラインナップに加わったものです。発売当時、インスタントラーメンの分野ではまだ馴染みが薄かった塩味というジャンルを世に広める上で、極めて重要な役割を果たしました。以来、半世紀を超える長きにわたり販売され続けており、国民的なロングセラー製品として多くの人々に愛され続けています。

製品名の表記にもユニークな点があり、同じシリーズの「みそラーメン」がカタカナ表記なのに対し、「塩らーめん」はひらがなで書かれています。また、パッケージデザインも時代と共に変化しており、2013年後半にはアルミ包材へとリニューアルされました。

象徴的なCM

「サッポロ一番塩らーめん」の歴史を語る上で欠かせないのが、長期にわたり放映されたテレビコマーシャルです。特に印象深いのは、野菜がまるで生きているかのようにニョキニョキと伸び、踊る様子を特殊撮影で表現した「はくさい・しいたけ・に〜んじん♪」というフレーズでお馴染みのCMです。このコマーシャルは、製品発売当初の1971年9月から2010年7月末までの約39年間にもわたり放映され続け、製品のイメージを強く定着させました。その後、テレビCMのハイビジョン化といった技術的な進展に伴い、タレントの木梨憲武氏がCMキャラクターに起用されるなど、新たな展開を見せています。

こだわりの味

「サッポロ一番塩らーめん」の人気の秘密は、その独特な味わいにあります。スープのベースとなっているのは、サンヨー食品が1964年に発売した「長崎タンメン」の味です。これを基に、野菜の旨みをより一層引き出し、さらにチキンエキスやポークエキスをバランスよく加えることで、あっさりとしていながらも深みのある塩味スープを完成させています。香辛料がアクセントとなり、全体の味を引き締めています。

サッポロ一番の袋麺シリーズに共通する特徴として、麺にはラードが使用されています。これにより、茹でた際にスープとの絡みが良くなり、風味豊かな仕上がりとなります。さらに、それぞれのスープの特性に合わせて麺も作り分けられており、「塩らーめん」の麺は、山芋を練り込むことで生まれる独特のモチモチとした食感と、円形の断面が生み出すコシの強さが特徴です。別添の切り胡麻の袋が付属しており、これを加えることで香ばしさがプラスされ、一層風味豊かな味わいを楽しむことができます。

調理法と楽しみ方

標準的な調理法は非常に簡単です。鍋に約500mlの水を沸騰させ、麺を入れて軽くほぐしながら約3分間茹でます。麺がほぐれたら火を止め、粉末スープを加えてよく混ぜ合わせます。最後に、お好みで付属の切り胡麻を散らせば完成です。

様々なアレンジも可能で、かつてのパッケージ裏面には「卵を加えてかき玉風に」「バターを加えてバターラーメンに」といった、手軽にできる『一工夫』の例が紹介されており、多くの家庭で独自の楽しみ方が生まれました。

広がるバリエーション

「サッポロ一番塩らーめん」は、袋麺にとどまらず、様々な形態やフレーバーで展開されています。

サッポロ一番塩らーめん（袋麺）: 内容量100g（麺91g）
サッポロ一番塩らーめんどんぶり: 1998年発売のカップ麺。フリーズドライ野菜付き。内容量83g（麺65g）
サッポロ一番塩らーめんミニどんぶり: 「どんぶり」のミニサイズ。1999年発売。内容量41g（麺30g）
サッポロ一番塩らーめんのりしお味タテビッグ: コンビニエンスストア向けの縦型大型カップ麺。のりしお味。2014年発売。内容量96g（麺72g）
サッポロ一番塩らーめん味焼そば: 塩だれソース味のカップ焼きそば。2013年発売。内容量113g（麺90g）
サッポロ一番塩らーめん味大盛焼そば青唐辛子入り: 上記の大盛りタイプ。青唐辛子入り切り胡麻付き。2014年発売。内容量153g（麺120g）

この他にも、夏季限定で「トマトとバジルで仕上げた塩らーめん」や「ぶっかけ塩らーめん」、冬季限定で鍋料理用の「塩ラーメンが鍋になりました鍋スープ & 〆（しめ）のラーメンセット」といったユニークな商品も期間限定で展開されており、その多様なラインナップは製品の人気の広がりを示しています。

「サッポロ一番塩らーめん」は、その誕生から現在に至るまで、日本の即席麺文化において確固たる地位を築き上げ、多くの食卓で愛され続ける存在です。その独特な味わいと多様な楽しみ方で、これからも多くの人々に親しまれていくことでしょう。

（参照：サッポロ一番みそラーメンなど）

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